おわりに

あとがき

 まず、ここまで読んで下さった読者の皆様、本当にありがとうございました!


 プロフィールにも記載している通り、一応執筆歴七年目ではあるのですが……Web上に小説を載せる、いわば誰でも自由に見られるような状態にするのはこの作品が初で、最初はかなり不安でした。


 『面白くない』って思われたらどうしよう。コメントで嫌なこと言われたらどうしよう。そう思うあまり、初めて投稿したときはしばらく手の震えが止まりませんでしたw


 ですが、なんとかここまでアンチらしきアンチもつくことがなく、無事に連載を終わらせることが出来て、本当に安心しています。


 ハート、星、フォロー、応援コメント等を下さった皆様、本当にありがとうございます!とても嬉しい限りです。皆様の温かい応援に、作者である猫丸は心から救われました。


『応援は人を救う』と言いますが、まさにこういうことなんだなと。本当に感謝しかないです!


 この先、まだ連載は続く予定なので、引き続き若の宮中学校吹奏楽部を見守っていただけると嬉しい限りです。











 そして、コレクションの説明欄にも軽く記載しているのですが、この『あの音が響く先で』は、作者・猫丸の中学時代の実話をベースにした作品です。


※猫丸の出身地・広島県広島市を舞台にして、せっかくなのでキャラたちの会話に広島弁も少々取り入れたのですが、もし『この言葉遣い分かりにくい!』等の疑問があれば、遠慮なく教えて下さい!



 この物語の主人公・花音はですね……正直、生みの親である猫丸でさえも『うわっコイツ、いくらなんでもネガティブすぎんか?!』と顔を顰めてしまうくらい、徹底的に内省的で後ろ向きな人物像を極めたつもりです。


 正直、あまりにも露骨に卑屈っぷり描写をしたので『ここまで酷い子、本当に居るの?』と疑問視されてしまうかもしれない、という恐れの下で執筆活動を続けていました。


 ですがそんな花音は、かつての猫丸…私でした。


 ここからは完全に自分語りになるのですが、私は小学三年生〜中学一年生くらいにかけて、『いじめられっ子』的な立ち位置に居ました。


 花音ほど酷くは無かったんですが、周囲の目から見て『あの子いじめられてるんだな』となんとなく分かるくらいではあったと思います。


『いじめられっ子』と表現すると、少々マイルドっていうか、軽い言い方にはなるのですが……


 実際にその立場に立ってみると、そこにあったのはただの『地獄』でした。


 何をしても周りから馬鹿にされて、何を言っても笑われて、どんなことをしても否定される。


 それは、生き地獄そのものでした。


 勿論、私自身の方にも原因はあったのですが、『いじめ』って本当に理不尽で。


 それなのに、何よりも怖くて絶対的な存在で。


 よく『子供は学校の中の世界がすべて』と言われていますが、それは紛れもない事実だと思っています。 


 だって、子供は今そこにいる場所しか知らないんですから。そこから逃げられるほどの力もない、無力な存在ですから。


 大人たちはよく『学校だけがすべてじゃない』と言うけれど、それって所詮他人事だから言えることなんでしょ。


 その地獄から抜け出して自由になった後だから、のうのうとそんな言葉を並べられるんだ。


 小学生のくせして結構捻くれていますが、当時の私は本当にそんなふうに考えていました。


 学校が地獄のようだった私にとっては、世界のすべてが地獄だと思えてならなかったのです。


 地元の中学校に入学したので当然、小学校の人間関係は持ち越されました。


 どうせこの先もこんな地獄が続くだろうなと、半ば諦めの気持ちでいました。


 そんな私を救ってくれたのは、部活でした。


 たまたま中学の吹奏楽部が、小学校時代の友達や関わってきた子たちがあまり居なくて……というか、それが吹奏楽部に入部した理由の一つでもありました。


 でもそこで私は、『仲間』と呼べる沢山の同期達、先輩方、後輩達、先生方に出会うことが出来ました。


 放課後の音楽室は、当時の私にとってはシェルターのような…傷つけてくる人達から一時的に離れられる『逃げ場』でした。


 ちょうどコロナ禍真っ只中の三年間(2020〜2022)だったので、不便さも色々ありましたが、吹奏楽部で過ごした三年間は私の中で、一生色褪せないであろう大切な思い出です。


 そんな思い出を、仲間たちが私にくれたものを、私自身の中だけで終わらせたくない。と思って作ったのが『あの音が響く先で』です。


 きっとこの世界の中には苦しんでいる人が沢山居て、その中には自分なんか価値がない、自分なんか誰にも必要とされてないんじゃないか…と絶望している人も居ると思います。


 それは子供だけじゃなくて、もちろん大人も。


 私はこの作品を通して、そんな彼らにこう伝えたかった。


 ――――今、君が居る場所がすべてじゃないよ。


 今、確かにあなたのことを認めてくれる人は、周りには居ないのかもしれない。


 でも、一歩外に出てみれば、きっと違う景色が待ってるよ。


 あなたの事を認めてくれる、必要としてくれる人は、絶対にどこかに必ず居るから。


 だから、どうか生きるのを諦めないでほしい。

 

 無理に耐える必要なんかない。今居る場所から逃げたっていい。周りに助けを求めたっていい。


 だけど、もしそれでも駄目だったらさ…いつでもこの物語を読みに来てね。


 君が私の書いた物語を読んでくれたから、私は君に救われたんだよ。


 私は、君の味方だよ。

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