第33話 10

 そして、あいつが先に上野と帰っていって、俺はチョココロネを買って、下駄箱で靴を交換していたときのこと。

「なぁなぁ、あいつって誰だ?」

「派手な服装の人がいるね」

「詩翔雪先輩を読んでいるわね」

 そういう噂が広まる。

 俺がその噂の震源地へ直行すると、あいつが金髪チャラ男に絡まれていた。とても頭が悪そうな言い方であいつを誘う。周囲がドン引きするくらい変な言い方だった。

 俺はあいつを庇う。

 不意打ち気味のローキック。

 これをよけると、金髪チャラ男があいつとぶつかる。

 だから、避けなかった。

 痛がったのは、相手だった。なぜなら、その場所に極細の鉄板を仕込んでいたのだから。日頃から、改造制服を着ていて良かったぜ。

 俺はその金髪チャラ男と戦った。

「うりゃあ、おりゃあ」

 金髪チャラ男はむちゃくちゃに手を出していく。それらを全てよけて、寸止めで攻撃する。

 圧倒敵な攻撃に、戦意を挫き、金髪チャラ男は動けなくなった。

 そこに、教師たちが来て、チャラ男たちは逃げた。俺は教師に叱られた。

「伊田、手を出さなかったのは偉いが、こういうときは、下手に刺激せずに、先生たちを呼べ」

 そして、俺は帰りが遅くなった。

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