第22話 21

「伊田ってこんなに強かったんだね」

 帰り道、夕暮れ時、私は伊田に感謝のお礼を言った。

「まぁ、な」

 ぶっきらぼうに言う伊田を見て、

「ふふふ」

 と私はつい、漏らした。

 そういえば、私は伊田といるとき、自然体になる事が多いな……。

 「また、明日もよろしく」

「…………おう」

 夕陽がとても眩しく見えた。

 その夕陽を眩しく見えるという感性は今だけなのかもしれない。時が経てば、この夕陽が愛しく思えたことさえ忘れているのかもしれない。

 だから、今は大切に感じておこう。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る