第20話 19

「あ、零、明。お前たち、個々の生徒だったのか?」

「そうだよ、お兄ちゃん。お兄ちゃんこそここで何をしているの?」

「ブラザー、まさか、極先輩ナンパ、溶かしていないよね」

「い、いや、そんなことをするはずがないじゃないか……ははは」

 日香月双子姉妹は茶髪チャラ男に声をかけた。

「…・・・、ん? 零ちゃん、明ちゃん、その人お兄さんなの?」

 私あ二人に訊くと、

「そうなんですよ、この馬鹿お兄ちゃんが迷惑かけてすみません」

「アホブラザーが迷惑かけてすみません」

 日香月双子姉妹が茶髪チャラ男にハラパンした後、私たちに誤った。

「へい、海。その子ら姉妹なのかい? 何で教えてくれなかったのかーい?」

「お前にだけは知らせたくなかったんだよ」

 海と言われた茶髪チャラ男は全呂悪で拒絶していた。

「まぁいい、へい、ガール。俺と熱い夜を過ごそうぜ!!」

「お断りします」

「だれが、付き合うかっつーの。クソ金髪」

 寄りが罵声を金髪チャラ男に浴びせた。

「うーん、エクスタシー」

 だが、金髪チャラ男は体を腕で抱えこみ、恍惚の表情を浮かべた。

『うわ〜』『きもーい』「あれでドMかよ』『蕁麻疹ができたよ』

 背後の生徒たちが、ヒソヒソと話している。

 私も同意する。キモい。

「俺の方がその男より何杯も感じさせられるぜ!!」

 その男?

 振り返ると、伊田がいた。

「うわ、伊田!! いたんだ」

「いたぜ」

 チョココロネを食いながら側に立っていた。そういえば、購買に寄るって言っていたな……。

「ほおう、お前がこのカワイ子ちゃんの彼氏ってことが。ならお前を倒せば彼女は俺のものになるってことだな!!」

 不意打ちのローキック。

 伊田は避けなかった。

「いだだぁー」

 痛がったのは相手だった。

「詩翔雪、下がってろ」

 私を背後に隠して、伊田は右眼を手で覆いながら言った。

「手を出したのはお前だ。だから、正当防衛で文句はねーよなぁあー!」

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