第8話 秘訣は、忘れろ

(曲は近況ノートのリンクから聴いてください。こちら。

https://kakuyomu.jp/users/kyuno-kana/news/16818093074684539923 )


 忘れっぽくて困ります。本日も予定があったのに忘れて買い物に行っていて、帰ってきたらスマホのカレンダーに登録しておいたアラームがわたくしにスケジュールあるぞと、なにしてやがったんだと詰め寄ってきました。

 ごっめーん、すっかり忘れてた。

 というわけで、慌てて支度をしてお昼抜きでスケジュールに対応しましたよ。腹が減ったぜ。


 たまにカレンダーに登録するのに日付をまちがっていたりしますからね、カレンダーも信用ならなかったりします。なにを信じたらいいんだー。信用できないのは自分だけですけれど。



(1曲目)

 ガンズ・アンド・ローゼズ「スイート・チャイルド・オブ・マイン」。

(ここで曲を聴いてください♪)


 ギターの単音リフではじまる。なんだか甘いような悲しいような子供時代の思い出にひたってしまいそうなメロディーです。歌詞でも言っています、子供のころを思い出させるような笑顔を彼女が見せる。たぶんそんな意味。ハイキーで撮影した8ミリフィルムのイメージですかね。

 2コーラスのあとソロがはじまります。ソロが展開していって、あたらしいパートに突入です。盛り上がって行ってもとのパートにもどることなくエンディングとなります。

 最後はもとにもどれというのがロックのルールですけれど、ガンズの曲はたいていもどらずに終わります。よい子はマネしちゃいけないやつです。カッコよくキメないとダメな見本にされてしまう。



(秘訣は、忘れろ)

 話のはじめとして、わかりやすくダイエットについて話そう。わたくしは世界一美しいお腹をもっていることで有名ですけれど、わたくしのなかでね、一度お腹にぷにゅっとつまめるお肉がついたことがあります。なんてこった。このままでは世界第二のお腹になってしまいます。


 ということで、お腹のお肉をなくす作戦を考えました。まず、生活をふりかえり原因究明です。これは簡単。ご飯を食べすぎていました。ここでのご飯というのはお米のことです。

 炊いたお米を何回で食べきるかという問題ですけれど。2回で食べきってお肉がついていたものを、3回に増やすだけです。1回の食べる量が減りますな。

 原因がわかって、対策までしました。何ヶ月でどのくらいお肉が減ったでしょうか。


 わかりません。


 なぜわからないかというと、忘れたからです。なにを忘れたかっていうと、お肉がついていたこと、そのために1回に食べるご飯の量を減らしたことを、です。忘れても大丈夫、実際には1回炊いたご飯を3回で食べることを忘れなければ、ずっと対策実行中となるからです。減量していることを忘れてしまえば、減量していないのと気持ちは同じです。でも減量ができている。ナイス。


 減量に失敗するひとはずっと覚えているからいけないのです。毎日体重計に乗ったってそうそう数字はかわりません。実行しているのに数字が変わらない、成果がない、嫌になっちゃう。そう言ってもとの生活にもどってしまうからいつまでたってもデブなんだよ! お前は!! このクソブタ!!

 失礼、取り乱しました。つい罵り癖がでてしまいました。そんな癖はありませんけれど。

 毎日体重計になんてのって、記録までつけていたら、つねに減量に取り組んでいることを意識することになって疲れてしまいます。つらい。まったく悪手です。

 なんのためにしているかわからないけれど、とりあえずやっている。やっていても大した苦労はない。そういう状態なら死ぬまでつづけられます。一生減量中です。そうして世界一美しいお腹を維持していますよ、わたくしは。



(2曲目)

 オジー・オズボーン「アイ・ドント・ノウ」。アフター・アワーズというテレビ番組でのライブです。スタジオライブですな。ランディー、イケメンです。

(ここで曲を聴いてください♪)


 ギターはランディー・ローズです。RIP。オジーがブラック・サバスをクビになってソロでバンドを作り、ランディーを見出し、作成した最初のアルバムの1曲目です。ランディーが世界に飛び出した1曲ですな。

 オジーの前にクワイエット・ライオットでレコード・デビューしていましたけれど。人気がなくて2枚目3枚目は日本でしか発売されなかったのではなかったかな。日本マニアック!



(秘訣は、忘れろ)

 さて、今のダイエットのお話。すべてのことに応用できます。仏教で念仏を唱えるなんてことがありますけれど、解脱のために念仏を唱えるのですかね。どうして念仏を唱えたら解脱できるのか。解脱するためには悟りを開く必要があるのでしたっけ。ということは、悟りを開くために念仏が必要なのでしょうな。ではなぜ念仏を唱えたら悟りが開けるのでしょう。

 そんな連鎖を考えながら念仏を唱えるのは苦しくてつづけられません。つづけられるのは宗教的快楽があるからでしょうね。宗教の人にしかできない荒業です。一般人はどうするかというと、なんか知らんけど念仏唱えておいたらいいことあるらしいでというくらいでやるのでしょうね。そのうちなにかかわったことがあるたびに念仏が口をついて出てくるようになる。なんで念仏唱えるかというと、そんなことは忘れているのでしょう。むしろ念仏なんて唱えてた? というくらい。

 いまどき念仏唱えませんけれどね、一般人。ということは江戸の頃の話ですな。


 小説だって同じです。小説を書いて賞に応募しなくちゃ、あの賞に応募して結果はどうかな、なんて思っていると、賞に落ちまくって小説を書くのが嫌になります。あっさり受賞できれば問題ないのですけれどね、そんな幸運は落ちてはいない。

 小説を書きながら、どの賞に応募しようかな、応募したら選考に残れるかな、受賞できるかな、なんて頭がいっぱいになります。このまま書いて賞を獲れるほど面白いかな、つまらないんじゃない? 別のを書いた方がよくない? なんてなると、最後まで書けなくなります。


 なんのために小説を書くのか、そんなことはどうでもよろしい。とにかく小説を書くのです。わたくしたちは小説を書く生き物なのです。書かないと死んでしまいます。

 なんか知らないけれど小説のネタを考え、思いついたら書いてしまう。書いてしまったものは賞に出せばよろしい。でもそのあとは忘れます。おぼえていたってなにもできることはありませんからね。賞の存在を意識して疲れるだけです。そんなことよりつぎの小説を書けです。


 ご飯の食べ方と同じです。小説を書くことだけおぼえていれば、生きているだけで小説が書けて賞に応募できます。あれに応募しよう、そのために小説書かなきゃ。あるいは、小説書けた、どの賞なら獲れそうかな。そんなことをやっていると、成果が出なくてやめてしまうことになります。

 いや、成果が出る人もいますけれどね。最近もお知り合いの方が2冊目を出版することに、コングラチュレーション! でもそんなのは少しのひとだし、やめなかったから成果が出たのだし。


 生きることは書くこととなっていて、どんどん小説を書いている人と、賞のことばかり考えてうまく行かずそのうち諦めちゃうんじゃないってひとだったら、生きることは書くことの人のほうが賞を獲るまで書きつづけそうではありません? わたくしはそのとおりと思いますけれどね。



(3曲目)

 フェア・ウォーニングは公式動画がなくて、「ドント・ギブ・アップ」というぴったりな曲があるのですけれどね、やめです。プリティ・メイズもバンドの公式チャンネルがなくて、レコード会社のチャンネルから、「シン・ディケイド」。

(ここで曲を聴いてください♪)


 キーボードのメロディーにギターのザクザク刻むリフがかっちょええイントロです。よく売れたアルバムが30周年ということで記念ツアーをした日本公演です。30年たって、もうジイサンです、そこまでではないか。でも50代でしょう。もしかしたら60。

 この曲は30周年を迎えたアルバムではなく、そのあとに出たアルバム「シン・ディケイド」のタイトルトラックですけれどね。スピーディーでかっこいい。30周年も2018年だから、もう35周年すぎました。



(秘訣は、忘れろ)

 小説の話ついでに。といっても小説にかぎった話ではありませんけれど。

 モチベーションですな。やる気満々で小説を書くひと、やる気が出なくて小説を書かない人、いますな。

 わたくしは小説だけではなく、なにに関してもやる気はありません。やる気があるからなにかするのではなく、なんとなくやっています。

 ネタが思いつくから書きとめ、ネタが発展して小説になりそうだから書きはじめ、つづきが書けそうだから書き、書いたからカクヨムに投稿する。長編が順調に書けたら、カクヨムではなく公募の賞に出す。そういう風にやっていますよ。


 やる気がなくても書けたら、ずうっと書けます。やる気があるときに書こうとすると、やる気が出ないときは書かないことになる。ではってことでやる気を出そうとすると、やる気ってそういうものではないから失敗します。長いことやる気が出なかったら、もう書く習慣がなくなりやめてしまいます、きっと。


 書くことが生活の一部になればよいのです。ちょっと暇なときに読み返し、ちょっとぼおっとしているときに小説のことを考え、なにか思いついたら書く。死なない限り生活するから、小説を書くことになります。


 よおし、これから2時間で6000文字書くぞなんてやると、苦しい思いをして2000文字書くのがやっとということになります。

 やる気があるときに取り組むのはまちがっていませんけれど、やる気がないときにやれないのは、長つづきしない原因になりますな。何日で何文字書かなくちゃいけないなんてノルマは、プロで締切があるのでなければありません。やる気がなくてもだらだら書けたら、いつのまにかいっぱい書けています。


 やる気がないと、世間的には非難されてしまいそうですけれど、小説を書くやる気がなくたって誰に文句言われる筋合いもありません。うっせえ、ほっとけとなります。やる気があるかどうかなんてネットの向こうの人にわかりゃしませんしね。9ちゃんねるでシャベったらバレますけれど。

 やる気なんて精神論は、もういらない時代です。やる気なくだらだら書きましょう。やる気が出たらバンバン書きまくれば、それはそれでよし。

 書くことがなければ、だらだら考えましょう。書くだけが小説を書くことではありません。半分以上は考えることが小説を書くことですよね。



(秘訣は、忘れろ)

(ここで曲を聴いてください♪)


 ジューダス・プリースト「リッパー」でした。切り裂きジャックの歌ですな。古い曲で、メタルとして洗練されてはいませんけれど、ヘビーなギター・バッキングにメタリックなハイトーンのボーカルが乗っています。たまにはこういうのもいいかと思います。


 今週も役に立つことをお話ししました。トイレに貼って何度でも読み返すべき9ちゃんねるとなりました。自画自賛。

 じゃあみんな、明日からやる気だして行こうぜ。バンバン小説書いて賞を獲って、ベストセラー作家になって2000億円稼ぐぜ!

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