ワクドナルドの女店員にスマイルのお持ち帰りを要求されるんだが？

第18話 嫉妬？

「慰めるって具体的に？」

「撫でるとかハグとか……お持ち帰りとか？」

「なるほど。絶対にしないぞ、そんなこと」

　してたまるか。

　植坂の中で勝手に「私に気があるんじゃないの！？」とか思われたら嫌だし、出会って二日でそこまでしたくもない。

　いや、植坂の脳内での考えは少し自意識過剰だったが、それぐらいの考えを持ちそうだから嫌だ。

「何でですか！」

「逆に、なんでしてくれると思った？」

「優しい羽月さんならしてくれるかなーと」

「残念、優しい羽月さんですけど、ほいほいと女子に触る男ではありません」

「……確かに、他の女子を触ってほしくはないですけど、私には思う存分触ってください！」

「触るか」

　このまま言い合っててもきりがないと思った俺は、起き上がらせた体を仰向けに倒し、枕の下に手を入れ、話題を強引に捻じ曲げる。

「それで、今日はどこ行くんだ？」

「勝手に話題を変えないでください！」

「行き当たりばったりに行くと、どこかで来夏の友達とかと会うぞ？多分」

「確かにそうですけど……！」

　更に話したい話題が植坂の中で増えたせいなのか、心にすっごい迷いが見える。

　今話している方に脳を働かせればいいのに、相当話しを捻じ曲げたことを根に持ってるんだな。

「あいつらが行きそうな場所なら、大体把握してるから、植坂の行きたい場所を言ってくれたら適当にプラン決めるぞ」

「……なんで、他の女子の行く場所を把握してるんですか？」

「え？」

　いきなり雰囲気が変わったと思い、慌てて植坂の方を見やるが、いつも通りの笑顔。

　……なんだったんだ？言葉だけを聞くには嫉妬的な感じだったけど、雰囲気が嫉妬を通り越して怒りだった気が……。

「どうしました？」

「いや、なんでもない」

　気のせいか……。

　こんなぽわぽわとした女子が、いきなり雰囲気を変わるわけないよな。

　うんうん、ただの勘違いだ。

「それで、どこ行きたい？」

「そうですねぇ……。こういう時って、どこに行くんですかね？」

「え？」

「お恥ずかしながら、男子との放課後デートというのが初めてなんですよねぇ」

　まじか……。

　これだけ可愛かったらあると思ったんだけどな。

　やっぱり、人というのは見かけでは判断できないな。

「なるほどな。ちなみにだけど、俺も女子と放課後に遊びに行くっていうのは初めてだ」

「……さっき、把握してるって言ってませんでした？」

「あれは、引っ張られて連れていかれたからノーカンだ。あんなので初めてを奪われたくはない」

「へーふーん、ほーん？その理論で行くと、私の初めてがいいんですね？」

「いや、この理論で行くと、植坂も強引に連れていかれてるからノーカンだな」

「何でですか！」

　いや、ほぼ脅し的な感じで誘ってきただろ。

　もう忘れたのか？この女は。