第一話 「」
-10月22日 火曜 雨天-
今日は特別な一日だった。そう。"特別"な。
いつも心地よいと感じる雨の湿気が、どことなくチクチクしていた。こんなこと、生まれて初めてだ。
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疲れた一日だった。
窓から差し込むやさしい陽の光に誘われて、瞼を開く。
「ここはどこだろう。」
気がつくと、机の前に座っていた。上には何やら日記と思われるノートが一冊、整頓された机の上に置いてある。
ありきたりな、感情をそのまま書いたような日記だった。ただ、途中から破けていて続きがわからなかった。いや、意図的に破かれていた•••という方が正しいだろう。
「•••破られてるな。」
寝起きだからなのか、そこで思考は止まってしまった。
そんなことよりと、「朝ごはんを食べる」という最優先のプログラムがはたらき、頭より先に体が動く。
朝ごはんを食べ、歯を磨き、髪を梳き、家を出る。
•••なんだろう。いつもと変わらない日常のはずなのに、なんだか久しぶりな気がする。
そして僕は、制服にベルトを通し、家を出る。
いつも通りの日常。
■■観察日記・二冊目 @meruchi
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