祭りの後、王国は平和な日常を取り戻していた。しかし、カイの態度には何か変わったものがある。彼は日々の業務に没頭する一方で、夜になるとどこかへと姿を消すようになる。珠子やリョウ、そして住民たちも、彼の変わった様子に気づき始める。

ある夜、リョウがカイの後をつけると、彼は王国の境界近くの小さな湖のほとりに立っていた。その湖は、「鏡の湖」として知られ、昔から神秘的な伝説が語り継がれている場所だった。湖面を見つめるカイの目には、遠くの別の世界を思い起こさせるような哀しげな輝きがあった。

翌日、珠子がカイに彼の変わった様子の理由を問うと、彼は自分の過去の話を始める。カイが生まれ育ったのは、こんにゃく王国ではなく、遠く離れた別の世界。彼の故郷では、戦争や病気、貧困といった多くの問題が存在していた。王国での生活は、彼にとっては夢のような日々であるが、彼の心の中には常に故郷の人々のことがあり、その思いが彼を夜ごと湖へと引き寄せていたのだ。

王国の住民たちや珠子、リョウはカイの話を聞いて驚く。彼らは、カイの過去が彼の現在の行動や考えにどのような影響を与えているのかを理解する。そして、カイの過去の経験を活かして、王国の未来をより良くする方法を模索し始める。