第5話 暇

朝、と言ってもとっくに10時は過ぎていたけれど、起きるとスマホの着信ランプが点滅していた。


『中央図書館にいます』

『暇だったら数学教えてください』


颯太からだった。

この前の、笑った顔が一瞬浮かぶ。


違う違う。

相手は高校生だし。


数学は得意な方だから、それを教えるだけの話。


でもこれ、いつのことなんだろう?

時間も何も書いていない。


『いつ?』


返信を書いて、昼のような朝ごはんを食べる。

スマホを見ても既読はついていない。


よくわからない子だなぁ。


そう、思いながらもメイクを始めた。

今日は夕方からバイトがあるから、だから、メイクをしておく。


メッセージにまだ既読はついていなかった。


暇だったから、いつもより早めに家を出て、中央図書館に寄ってみることにした。

今日のことじゃないかもしれないのに、バカげてると思いながらも。

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