第52話 竜巻の湯
その姿を見たマガタマ姫たちは、大きな声を上げて喜びました。
「ウミマルヒコが戻ってきた!」
と歓声が響き渡りました。
ウミマルヒコが無事に戻ってきたことが、本当に嬉しかったのです。
赤い玉のことも気になってはいましたが、今は何よりウミマルヒコの無事が大事でした。
彼をイカダに引き上げて、休ませる間もなく、ウミマルヒコはマガタマ姫に赤い玉を差し出しました。
その時にはイカダも血の池の岸辺に着いていました。
みんなは赤い玉をウミマルヒコが見つけたことに大喜びしました。
マガタマ姫は涙ぐみながらウミマルヒコの手を取り、感謝の言葉を伝えました。
赤い玉を手に入れたマガタマ姫一行は、次の目的である黄色い玉を探すため、熱い湯が竜巻のごとく舞い上がる場所へ向かいました。
しばらく歩き続けると、遠くに何かが吹き出している場所が見えてきました。
マガタマ姫は「あそこに黄色の玉がある竜巻の湯に違いありません!」と言い、皆と共にその方向へ進み始めました。
しかし、彼らの前に大きな崖が立ちはだかりました。
下を覗くと底が見えないほど高く、普通に渡ることはできません。
竜巻の湯に行くには、この崖を越えるしかないことがわかっていましたが、その道のりは至難の業でした。
マガタマ姫は考え、ヒカリヒコに縄をつけた水晶ブーメランを向こう側の大きな木に巻きつけるよう指示しました。
まずは近くの木に縄を結びつけました。
ヒカリヒコは力を込めて水晶ブーメランを投げましたが、遠くの木には届きません。
何度か試してみたものの、やはり届きませんでした。
それを見たフジマルヒコは、自分の手裏剣を水晶ブーメランに取り付けて一緒に投げることにしました。
二人で息を合わせて投げると、手裏剣が水晶ブーメランを引っ張りながら向こう側の木に飛んでいきました。
手裏剣はどうにか向こう側の木に刺さり、水晶ブーメランを引き寄せました。
水晶ブーメランは手裏剣の力を借りて、木に巻きつきました。
こうして、どうにか崖の向こう側の木に縄を結びつけることができたのでした。
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