第51話 赤い玉
マガタマ姫の一行は、近くの木々を使って簡単なイカダを作りました。
そして、ダウジングを頼りに、水晶が指し示す血の池の中心へと進んでいきました。
しかし、池の真ん中に到達しても、底が見えないほどの深さでした。
その様子を見たウミマルヒコは、
「私に潜らせてください。子供の頃から母のサザナミに泳ぎを教わり、長時間海に潜る訓練も積んできました。ここは私に赤い玉を見つけさせてください。」
と言って血の池に飛び込もうとしたその時、ヒカリヒコが水晶でできたメガネを手渡しながら言いました。
「これをかけてみて?少し見えにくい水の中でも、視界を良くするメガネなんだ。」
ウミマルヒコは感謝の微笑みを浮かべ、水晶のメガネを顔にはめて池に潜りました。
池の中を進むウミマルヒコは、やがて光を放つ洞窟にたどり着きました。
洞窟の中には広い空間が広がり、赤い水晶が散らばっていました。
彼は大きく息を吸い込み、洞窟内に空気があることを確認して安心しました。
命を保ちつつ、マガタマ姫との約束を果たせる喜びに胸を打たれました。
少し休んで気持ちを落ち着かせたウミマルヒコは、再び赤い玉を探し始めました。
洞窟の中心には小さな水溜まりがあり、その中に真っ赤に光る赤い玉がありました。
「これだ!」ウミマルヒコは叫び、歓喜の声を上げました。
その頃、マガタマ姫は
「ウミマルヒコは必ず赤い玉を持って戻ってくる。仲間を信じることも大事なことだから、今はここでウミマルヒコを待つのが私たちの役目です。」
と仲間たちに語りかけていました。
赤い玉を見つけたウミマルヒコは、マガタマ姫たちを心配させまいと、急いで洞窟の入り口へと戻りました。
赤い玉をしっかりと握りしめ、大きく息を吸ってから再び水に潜り込みました。
しばらく進んだ後、洞窟の外に出て、血の池の水面へと上がっていったのです。
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