第28話 知恵比べ
「ふ、ふ、まだやつらは洞窟を出たばかりか!ここに来るまでに朝日は弱まってしまうな!今度も俺の勝ちだ。全員あまたの大蛇の生贄にしてやる!」
しかしその頃、マガタマ姫はホシヒトとツチマルヒコと共に太陽が昇るのを待ちかねていました。
そして、太陽が一番に昇り始め、マガタマ姫は勾玉を手に持ち、身構えます。
太陽が昇り、勾玉に朝日の一番の光が集まり、光は勾玉から、あまたの大蛇へと突き進みました。
その光に気付いたハギノツタマルは驚くものの、もはやその時は遅く、光はあまたの大蛇に当たったのでした。
勾玉の光に当たったあまたの大蛇の頭の一つが焼け、煙が立ち上りました。
急な出来事に、さすがのハギノツタマルも驚くばかりです。
ちょうどその時、スサノオノミコトとフジマルヒコとサザナミがやってきて、あまたの大蛇に貝や手裏剣で攻撃します。
ハギノツタマルは、あまたの大蛇が傷ついたことで怒り狂ったようにフジマルヒコたちに攻撃を始めました。
その隙を見てマガタマ姫たちは、カゼマルヒコの元へ向かいました。
滝に吊るされたカゼマルヒコを、ホシヒトとツチマルヒコが引き上げ、助け出します。
ホシヒトの薬草で、カゼマルヒコは意識を取り戻し、
「す、すみません…」と言ったのでした。
マガタマ姫は涙を浮かべ、
「大丈夫ですか?あなたは皆を助けるためによく頑張りました。早く戻りましょう。」
と言って、カゼマルヒコを連れて洞穴へと戻ったのでした。
それを見ていた サザナミは スサノオノミコトとフジマルヒコに
「マガタマ姫が洞穴に入りました。」
そう言うと、 フジマルヒコはホシヒトから預かっていた煙の薬草を投げ、 あまたの大蛇を撹乱させます。
そして、みんなは 洞窟へと立ち去ったのでした。
あまたの大蛇に傷つけられて、カゼマルヒコやマガタマ姫たちをも逃してしまったハギノツタマルは悔しがりながらも
「なぜだ? 私から逃げ失せるとは…
そうか! あの洞穴から勾玉を朝日に当てたのだな?油断した。あいつらは一番の朝日に力があることも知り得ていたとは…少し甘く見ていた。とにかくあまたの大蛇の傷を手当てしなければ。あいつらだけは許さない!絶対に叩き潰してくれる!」
そう言って消え去ったのでした。
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