【挑む者へ】

朝詩 久楽

挑む者へ

拝啓

 此の度は挑む者(若しくは、挑もうとしている者)へ伝えたき事があり、此の様な手紙を書き綴らせて頂きました。

 改めまして。挑み、挑もうとされている者へ、貴方は今何に挑まれていることでありましょうか。

 学業

 仕事

 遊び

 其の他諸々、万事良し。

 挑む際、思い通りに上手く事が進まないかもしれない。目指していた目標を見失ってしまうかもしれない。だが、焦る事は無い。手の内を晒してなるものかと皆面を鋼の様に固め、取り繕ってはいるが、一様に、例外なく貴方と同じ境遇を体験して(若しくは、其の真っ只中に立って)いるのだから。

 山麓にて緩やかに流れる川の様に。または、其の川に流れ、在るが侭に在り続ける水の様に悠々と自適に満を持す、其の時を待つのだ。

 「挑むだけ無駄だ」等と云い続けてはいけない。何せ、挑まなければ何にも無から生まれないのだから。

  1は0よりまし、0は無よりましである。

                  敬具

                朝詩 久楽

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