第34話

・秋葉美鈴視点


え、それだけの理由だって?


それは、、、


塁斗は、とある絵師を推している。

彼は、配信者をよく見る。

で、見つけた配信者が、たまたま絵師だった。

絵を描く配信をよくしているそうだ。

そこから、すごいクオリティの絵とトーク力でハマったらしい。

まぁ、塁斗らしいなとは思った。


今となっては、塁斗が絵師を好きだからって理由でなぜなったんだろうとは思った。

だって、その時はまだ塁斗が好きとは思わなかった。

もちろん、友人とはしては好きだったが、恋愛としての好きとはまだ言えなかった。

でも、こうして振り返ると、彼を追いかけようとしている時点で彼に惚れていたんだな、、と思った。



話を戻そう。

私は、鈴花から依頼を受けた。

内容は、配信アイコンを描いて欲しいとのこと。

できれば、彼女の顔に似せてほしいらしい。

まぁ、私は彼女の顔を知っているから上手くかけた。

そんなことより、疑問が生まれた。


どうして、彼女は配信を始めようとしているのか。

深く考えようとしたが、答えはすぐ見つかった。

塁斗が好きだからだ。

彼は絵師が好きだが、それ以前に配信が好きだ。

だから、配信者になって少しでも振り向いてもらおうという魂胆だろう。

私も、同じことを考えているのに、、、、


でも、そんなことを考えるよりこれは「仕事」だ。

私は、出来上がったイラストを納品した。

その直後、彼女からこういわれた。


「負けるつもりはないですよ。」


どうしてそんなことを言ったのか。

それは、私は依頼を引き受けるときに言った言葉のせいだろう。


「私も、彼のことが好きです。

 なので、この依頼が終わった後は、、



 ライバル、ですね♪」


そう、ライバル宣言を言ったのだ。

その後、彼女があのようなことを言った。

つまり、彼女は私と同じく塁斗のことが好きだということだ。

もちろん彼女の配信活動は応援するが、私も負けてはいられない。

これ以上ライバルは来ないでほしいけど、、、

そう思っている最中、SNSから通知が来た。

とあるフォローしているユーザーが投稿をしたそうだ。

どれどれ、、、


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音風ノア @otokaze_noah

「ご報告」

私、音風ノアは今までアイドル活動を休止していました。

そして、その間に心境が変わったので報告させていただきます。


私は、とある男の子を好きになってしまいました。

要するに、恋をしてしまいました。

その子は、私が休止することになった原因(?)です。

一応まだ「アイドル」という立場なので、恋愛のことを話すのはタブーというのはわかっています。

でも、私は好きになってしまいました。

こんなことを言うのは身勝手ですが、、、



これが受け入れられなかったら、私はアイドル活動をやめます。

本当は、私は潔く辞めたいです。

多くの人にも迷惑をかけました。

だけど、まだ応援してくれる人は少なからずいます。

だから、続けたい気持ちもあります。

でも、その子はいま実質親がいません。

だから、見守ってあげたい。

そう思って、その子の兄と面倒を見ていました。

でも、同時に恋愛感情も持ってしまいました。

彼のやさしさ、誠実さ、その他いろいろに、、、

私は、彼を前から知っていました。

これでわかってしまうと思いますが、、、


暴露マスターの弟です。私が好きになってしまったのは。

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うっほwwwww

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