第17話
鈴花の父は、会社を捨てた。
そして、俺に謝罪の言葉とともに大金を渡した。
俺を助けることができなかったこと。鈴鹿と強制的に離れ離れにさせたことへのお詫びの気持ちだそうだ。
俺は、どんな気持ちでこれを受け取ればいいか分からなくなったけど、鈴花とその父に押され、受け取った。
そして、最後に彼女の父がこういった。
「塁斗君の、学校の現状は知っているよ。
なにか困ったことがあったら言ってほしい。」
また、仲間が一人、いや二人増えた。
休校明けの登校日。
学校はいつも通り終わった。
放課後からが本番だ。
俺は、鈴花と弁護士の宮坂さんと一緒に部室に向かった。
―コンコン。
「よう鈴花、あと、、、
何だよ塁斗かよ。あともう一人誰だよ。」
「私ですか?
弁護士の宮坂と申します。本日は話があってきました。」
瞬間、さっきまでざわついていた部室が凍った。
「何だよ、脅しかよ。
塁斗如きが俺等がなにかしたっていう証拠を持ってるわけ無いだろ。」
この顧問、相当心が腐ってるな。
「いやいや、そしたら鈴花と一緒に部室に来るはずないでしょ。」
さては、困惑しているな。
「鈴花、まさかそれ、、」
顧問が、鈴花の手をみた瞬間震え上がった。
彼女の手に握られていたのは、、
ボイスレコーダーだった。
しかも、超小型で大容量の高いやつ。
「塁斗をはめようとしてるとこ、私を脅しているとこ。
全部取ってあるよ。金持ちなめんな。」
おお、そこで金持ちアピールするんだ(笑)
彼女は、ボイスレコーダーにあるものを取り付けた。
そして、そこについているボタンを押した。
「あああぁぁあああああぁぁあああくぁwせdrftgyふじこlp!」
顧問は崩れるようにすわりこんだ。
彼が行ったこと、全てが流れた。
どうしてこんな情報があるのかって?
鈴花は、俺に関係を切ることを伝えたときから、影でなにか助けることはできないか考えていた。
そんなとき、顧問が事態を悪化させていたことを知って、彼女は行動に移したんだ。
顧問が終わった今。周りからは、謝りたそうな視線が一気にこっちに向いた。
まぁ、もう遅いけどね(笑)
いくら半分脅されていたからって、鈴花のように勇気を出して行動する人もいたんだ。
俺は、次のターゲットを部員に絞った。
・顧問視点
何もかもが終わった。
俺は、ずっと塁斗のことが気に食わなかった。
大会ではあまり結果を残せていなかったけれど、練習の時のタイムはぶっちぎりで早かった。
彼は、本気を出したがらなかった。出せなかっただろうか。何故かはわからない。
そんな彼のことが嫌いだった。
俺は、高校の頃に水泳をやっていた。
そこそこうまかったが、他の奴らが全員上級者で、いつも俺は劣等感を抱いていた。
そして、大会だけでなく、練習もうまく行かなくなった。
結果、がむしゃらになって部活を辞めた。
だから、大人になって顧問になり、他の奴らを見下そうと思った。
でも、彼だけはうまかったのだ。
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需要ない顧問ストーリーで次書きます。
数話後、主人公はついに何処かへ飛びます。
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