捧ぐ子守唄

葵野 海色

 

少し歩き疲れたんだって、

少し泣き疲れたんだって、

私を頼り苦しみを吐き出す。

そっかそっかは聞き言葉。


ほんのちょっと楽になれ。

そんな願いを常に思い、

涙が自然と零れている。

切なく君の頬を撫でる。


泣き顔なんて見せたくない。

君が辛いんだよね。

君の辛さを受け取り泣いて。

弱い私が嫌になり。


大丈夫だよって君は言う。

嘘をついて君は言う。

泣かないでって、

綺麗な顔が崩れちゃうよって。


なんで君はそんなに優しいの?

辛くて私を頼ってくれた君。

頼られるのは嬉しいけれど、

君が苦しんでる事実が苦しい。


助けたいって救いたいって。

私が力になるからって。

小さな声で言った。

そしたら君はこんな事を言う。


ボクの為に泣いてくれて、

ボクの為に悩んでくれて、

すごく救いになってるよ。

だから無力だとか思わないで。


人の深い気持ちを受け取って、

私を励ます暖かい言葉たち。

どれだけ叫んだって辛いままで、

そんな感情を抱える君なのに。


せめての思いを込めて言った。

お布団に入って休もうよって、

眠れるように心を捧げるから。

この一時も君だけを思うから。


眠りについてと囁き唄う。

君が今日も休めるように。

疲れた体が癒えるように。

私の大切で愛おしい君へ。

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