第30話 推薦
「あの皆さん、勢ぞろいで」
行けと言われ指揮台に立たされた。
「怪我が治らんは承知している。だから大会に出ろとは言わん」
坂下先生、一体何を。
「あれからみんなでオンライン会議したんです」
このご時勢を恨むしかない。
「あの話、実は全員聞いてました。いや、あの
なんだか話がおかしいことになっている。
大会に出なくていいのは分かった。よく分かった。でもその為だけに集合したわけでは無かろう。
「それでは伊坂光を第五十二代マーチングリーダーに
おいおい、二年のリーダーがおかしなことを言っているぞ。
「その推薦、木管金管リーダー三年マーチングリーダー副部長二人と部長の大江が承諾した。本日より、伊坂光がマーチングリーダーだ」
「ま、全国まではな。お姉さんも重要な役をさせるとちゃんと仕事するって言うてるしな」
あのクソ姉貴め。監督の顔は満面の笑みだった。
「とは言ってもコンテもろくに読んでない光をリーダーにしても指導は出来ない」
うんうんその通り。
「なので二日で覚えてもらう」
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