第12話 人間のすることか?
帰り道、電車一本しかないので帰りは自宅近くでない限りほとんどが一緒になる。
「光、最近喘息大丈夫か?」
「まだ発作出るな」
「無理すんなよ」
そういうやり取りを何度も繰り返した。
病院の先生にもう来なくていいと言われそうだ。
最近、喘息に見える呼吸法を会得したが、ふりを失敗して本物の
目標は関西突破、やる気もみなぎっている生徒たちを尻目にマスク常備でグランドに水を撒いている。みんな暑いのによくやるよ。絶対、部屋の中で勉強が楽だぜ。動いた後のコーラも
ロッカーの荷物を取りに勉強部屋になりつつある音楽室に入ろうとしたところを監督に呼び止められた。
「あのな、グランド暑いやろ。住宅地やし、音も長く出されへん」
「はい、確かに」
「山手の方行ったら体育館がある。そこで扇風機回して練習するねんな、明日から」
えっと、声が出た。明日すか? 明日って休みって。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます