夕鶴

プルルルル……


「はい、こちら、童話お悩み相談室です」


「あの~、覗きの被害にあったんですけど……」


「どこで覗かれたんですか?」


「同棲している男性の家なんですけど」


「だったら覗かれても仕方ないじゃないですか」


「いや、同棲していても、見られたくないものは見られたくないんです」


「だったら、嫌なものは嫌、とはっきりお相手の男性に伝えた方がいいですよ」


「絶対に見ないでくださいって、何度も念を押したんです。で、約束は守るって言ってくれたんですよ。私はそれを信じていました。けれども、騙されました」


「……まぁ、それが男のサガってもんですよ。どうしても合わないのなら同棲を解消するのも一つの方法ですよ」


「……はい、そうすることにします。一応、恩返しのための反物は織り上げたので、それを渡したらさよならすることにします」


「鶴さんならきっと、また良いお相手が見つかりますよ!」


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