　怪しい人物は男の子を抱えたまま、遊園地の奥に進んでいった。あなたたちは気づかれないようにこっそりついて行く。

　泣き叫んでいる男の子の声は次第に小さくなり、ついに聞こえなくなった。

　怪しい人物はしゃがんでこそこそと何かをしている。そして大きな袋を担ぐとこちらに向かってきた。

　あなたたちは慌てて物陰に隠れた。すぐ近くを怪しい人物が通り過ぎる。

　このくらい距離があればいいだろう。物陰から出たとき、あなたは気が付いた。地面に血痕があることに。あの怪しい人物の足跡とともに続いている。

　あなたたちはその血痕を追跡した。メリーゴーランドに続いている。

　そして、一つの馬のところで跡が途切れていた。

　あなたたちは震える手で木馬の頭を掴んだ。木馬の頭が簡単に外れた。木馬の中は空洞で、奥に大きな麻袋が入っている。袋は黒く汚れていた。

　嫌な予感がした。

　『袋を開ける』

　『そのままにしておく』

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。（ログインが必要です）

新規登録で充実の読書を

マイページ: 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる; 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める; フォローしたユーザーの活動を追える
通知: 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴: 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい