拾わない
最後はジェットコースターだね。
そう、最後だよ。私たちは過去の遊園地に来てしまったけど、どうやって現代に帰ればいいんだろうね。もしかしたら、このまま過去で過ごさないといけないのかな?
あ、順番が来たよ。とりあえず乗ろうか。
見てよ! 写真撮影があるみたいだよ。ほら、準備はいい? 恐怖でゆがんだ変な顔を撮られるのは嫌だろう? 最高の笑顔で撮ってもらおうじゃないか。
◇ ◇ ◇
コースターはゆっくり上昇すると、頂上に到達して急降下した。くねくねとしたカーブに体が引っ張られる。
「ほら、あそこで写真を撮られるよ! ハイ、チーズ!」
かけ声とともにあなたはピースサインを決めた。ピカッとフラッシュ。まぶしい。思わず目を閉じる。
気が付くと、あなたたちは、ぼろぼろのコースターに乗っていた。周りにはあなたたち以外誰もいない。あなたたちは顔を見合わせた。現代に戻って来られた嬉しさでハイタッチした。
あなたたちは無事に家に帰った。
ある日、あの遊園地に行ったことのあるおばあさんに出会った。思い出の写真があると、見せてもらった。あなたは写真を見て驚いた。その写真はジェットコースターの写真。そこにはピースサインをした半目のあなたたちの姿が映っていたからだ。
★ END 思い出の写真 ★
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