わたしをつくる音
かたつむり
第1話 わたしの始まり
わたしが初めてフルートと出会ったのは小学生になって初めての誕生日の日。
誕生日ケーキをのろうそくを消して、苺のショートケーキを食べ終わり、最後に取っておいた「音羽、8歳のおたんじょうびおめでとう!」と書いたチョコレートを食べている時だった。なぜ、私の両親はバイオリンでもなく、ピアノでもなく、フルートだったのか?今ではもう聞くことができない。
ただ、当時のわたしはキラキラと銀色に輝くフルートが金貨がたくさん入った宝箱を開けたような高揚感とドキドキで胸がいっぱいだった。まだ、「フルート」という名前もそれが楽器ということも多分わかっていなかったのに…
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