窃盗罪について学ぼう

「窃盗といえば、前に交番勤務していたとき、交番の自転車を盗もうとしたやついたな」


「ああ、警察の物って、意外と狙われやすいみたいだぞ。警察から盗んでやった! みたいに自慢したいんだろうな」


「あと、オークションも注意だな。警察関連の物が流出していたりする」


「ああ、それ、聞いたことある。供述調書の用紙が盗まれてオークションに出ていたこともあったらしいぞ」


「俺らの官品も、税金から支給されているから絶対に失くせないよな。気を付けような」


「そうだな」


俺は、机の上に置いたカバンを見た。

この中には警察手帳が入っている。絶対に失くしてはいけない。


「さて、それでは法律の勉強でもするか。お互いに問題を出し合おうぜ!」


「いいぞ」


「では問題。窃盗の対象となるものは、普通は形のある財物であるが、形がなくても財物と見なされるものは何だ?」


「空気?」


「いや、空気は気体だから有体物とみなされるぞ。空気には形がある。俺が聞いているのはだ。ヒント、それは、気体・液体・固体のいずれでもない」


「……う~ん、形がなくて、窃盗罪の対象になるもの……心?」


「どっかのアニメ映画のセリフかよ! ボケはいらんから、警察の昇任試験として考えろ」

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