百円の絵画【祝・1700pv・☆90突破!】
モリイ
第1話 百円の絵画
6時間目の美術の授業が始まろうとしている時だった。
私は先生に頼まれて、美術の道具を第二図工室にある箱にしまっていた。
2つ目の筆をしまうときにある作品を見てしまったのだ。渦巻きのような青い何か。ぼんやりとした周りの景色。そこに混じった明るい黄色。
第二図工室に置かれたその絵画は、私の物だと本気で思いかけた。
それほど美しかった。
私の時間は2つ目の筆で止まっていた。
この絵画が欲しい。自分のものにしたい。
どんどん欲望が増してゆく。
チャイムがなった
私は慌てて箱の中に絵の具や筆をしまった
絵画は私の瞳の中で小さくなってぼんやりしている。
6時間目が終わった。教室を出て、いつもどおり坂道を降りている時だった。
いつも閉まっている店のグルグルした英語みたいな文字が書かれたガレージが上がり、色とりどりな色彩で描かれた絵画が目に写った引き込まれるように私は店に入って行った。
店の中は夕日が差し込み絵の中の海が光って見えた。
店はこじんまりしていて
自分だけの空間のように感じ、絵画をじっくり見れた
ふと、入り口を見ると一人の高校生が立っていた。
続く・・・
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