第103話 復興準備(1)
翌朝――とはいっても、外はまだ真っ暗なようだ。
陽の光は感じられない。
「ニャニャ? ご主人、ご主人」
とミヒルに起こされる。
一瞬、寝すぎてしまったのか⁉――と
ミヒルは寝ている俺の上に
これはアレだ。
取り
一度、ミヒルを床へと降ろす。
朝方は気温が下がるため、
隣で寝ているのはイスカだが『中身がエーテリアのままなのか?』は分からない。
彼女の肩を
「あ、はひっ……」
と、まだ
反応からいって、中身はイスカなのだろう。
まだ長時間、巫女であるイスカの
恐らくはイスカのレベルを上げる必要があるのだろう。
俺は周囲を見回したのだが、エーテリアの姿を見付ける事は出来なかった。
いつもだったら、俺の目覚めに
その事から――『リディエス』の神殿の地下で【神器】を浄化した時と同様の事態が起こっているのでは?――と推測した。
地上では『神の力を無制限には使えない』というワケだ。
(浄化の能力だけでも、かなり強力だしな……)
奇跡の力にも
それよりも今はミヒルだ。
彼女を抱きかかえると、俺は急いで
朝の
もう少し時間がズレていたら危なかったかもしれない。
少し早い時間帯の方が
ミヒルを抱きかかえ、
「にゃごにゃごニャ~♪ ふにゃにゃかニャ~♪」
スッキリしたのか、ご機嫌な様子で歌を歌うミヒル。
歌詞の意味は分からないが――子供など――そんなモノだろう。
正論よりも共感することが大切だと聞く。
子供が素直になれるように、大人が言葉を選ぶ必要があるようだ。
(まあ、俺には
「ご主人、ご主人」
とミヒル。俺の服を引っ張る。
(そういえば、忘れていた……)
昨夜『竜の
正確には、もらったのは竹の
他にも
だが、食用にしているのは地球でも
時間を掛ければ、食材として受け入れられるだろうが、すぐには難しいだろう。
なので、今回は食用としては利用しないことにした。
砂漠の緑化にも使えるのだろうが、加工しやすい素材として活用する。
加えて丈夫でもある。日本で鉄が不足していた時代には『竹筋コンクリート』として、鉄筋の代替で使われていた程だ。
目安としては――成長して3、4年の――表皮が白っぽくなった竹が加工しやすい。
(その辺は、俺が成長を調整する必要がある……)
それよりも
青竹の状態では、カビや害虫によるダメージを受けやすいからだ。
また、時間経過や直射日光によって
青竹の状態での製品が少ないのは、そういう事だ。
他にも伐採するのに適した時期というのがある。
通常は竹の水揚げが
その時期に切った竹は材質が
更に虫がつき
『
『木は6月、竹は8月を過ぎたら切ってもいい』とされていた。
旧暦でいうと8月が七夕に当たるので、それを過ぎた辺りだろう。
つまりタケノコが成長して、枝葉が出始める頃を指す。
(まあ、今時の日本人は竹を切りに出かけたりはしないか……)
もしかすると『新月伐採』の方が有名かもしれない。
迷信のような気もするが、ヴァイオリンの名器『ストラディバリウス』も新月に切った木で作られたと聞く。
日本にも『闇切り』という、新月伐採の伝統があるようだ。
『新月時』と『満月時』に伐採された木材では、細胞の中の水分やデンプンの含有量に違いがあるらしい。
実際、
科学的に考えるのなら、沢の近くに生えている竹は月の影響を受けやすいのかもしれない。
(まあ、月の満ち欠けの話で、竹といえば『竹取物語』だろう……)
いや、今はそれよりも『竹に含まれる油分を取り除くのには、どうすればいいのか?』だ。
『油抜き』といって耐久性を高める技術がある。
それを行うと虫も
(ガスバーナーや炭火を使っていた気がする……)
確か、
苛性ソーダがあれば
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