第77話 白闇との交渉
(さて、ここからは運
正直なところ『
的確に人類を
神殿ばかりを狙っていたのも気になる。
エーテリアも言っていたが、この世界から神々は興味を失くしつつあるようだ。
まるで神々が『この世界から去ってしまうこと』それ自体が目的のような――
(その辺も聞き出したい所だが……)
〈ホーリーウォーク〉の効果で、すっかり弱ってしまっている。身体の
簡単に足で
また人型といっても手には指がなく、腰から下には足も存在しない。
フワフワと空中を
地球の生物で
だが、優先すべきは情報を聞き出すことだ。
今はエーテリアに頼み、正方形の結界の中に閉じ込めてもらっていた。
これで逃げ出すことは出来ないだろう。
一方でミリアムとガハムは
俺から2、3メートル離れた場所で、ガハムを盾にミリアムは隠れていた。
確かに『
これは
相変わらずの漆黒の
「おい、2人に
「ナニモ、シテナイデス、ハイ、イキモノ、ワレラ、ミル、ゼツボースル」
『
これでは、まるで俺が
(もっと邪悪な
まあ、会話は出来るようなので、そこは安心した。
その分、
「絶望とはなんだ?」
俺の問いに対し、
「ワレラ、コノセカイ、イブツデス、セカイ、キョゼツスル」
と返答した。いまいち、伝わらないが答える気はあるらしい。
人類を散々、追い詰めてきた割に、自分が消滅するのは怖いようだ。
腹が立つというよりも、
「つまり、異世界から来た存在であるお前たち――『
俺なりに会話の内容を
「アナタサマ、ワレ、ナゼヘイキ? ゼツボーシナイ? キョーフシナイ?」
逆に質問されてしまう。
どうやら、この世界の生き物では『
絶望や恐怖を感じ、今のミリアムやガハムのようになるのだろう。
(
しかし、同時に――
(まるで俺に人の心がない『バケモノ』のように言ってくれるな……)
失礼な相手である。
アニメを見れば、夢と希望を人々に与える魔法少女も殺し合っている。
二百年ほど前までは日本人同士、刀で斬り合っていた。
今はSNSで総力を結集し、個人を
異世界からの侵略者に対し、いちいち絶望などしていられない。
生きる――ということは、絶望と隣り合わせなのだ。
確かに怪我や病気で死ぬ確率は減った。
そんなモノより、地震や増税の方が厄介である。
技術力は海外に抜かれ、自殺する若者も多い。
絶望は次から次へと
俺の時代は、
生きながら心を殺してきたのだ。
「お前も日本人になれば分かる」
ブラック校則やブラック部活、ブラックバイト、ブラック企業、ブラック大学病院、ブラック介護施設――子供からお年寄りまで、まさにブラック日本。
今は『社畜』に
弱い人間は食い物にされる。それだけの世界。
もう少し話していたい所だが、ミリアムとガハム――の表情は分かり
リディエスの神殿で見付けたモノだ。
「エーテリア、これに『
俺はいつも
彼女もまた、俺がどうするのかを試しているのだろう。
「出来ますが……」
また、
どうやら【神器】を浄化した時と同様に、力を消費してしまうらしい。
だが、このままではミリアムたちが持たないだろう。
「頼む」
と一言。エーテリアは「分かりました」と了承する。
両手を前に出し『
俺は手で、それを制した。『
なので少しだけ、手法を変えることにしよう。
「お前が俺に協力するのなら、願いを
言ってみろ?――と俺は告げた。これは後で知った話だが『
(まったく、失礼な話だ……)
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