画家の少女3
昼飯は案外イける味がした。調理時にレイがよくわからない調味料を出してきた時はフロルとヘリオがすごい勢いで止めていたとあとでルナリスから聞いた。と、いうことはルナリスとグライドはレイが変な調味料入れているのを見てなんの反応もしなかったということか。料理をさせては行けない人がまた増えた気がする。今度からはシュンを何がなんでも引きずり出してもらわなければ。
「⋯っはぁー!やっぱりお姉さまと一緒に作る料理はなんでも美味しいです〜!お姉さまに頼んでまた一緒に作ろーっと!あっ!セリーナさん!なにか作って欲しい料理ありますか?今度お姉様と料理する時に作ってあげますよ!」
「⋯そうですねぇ、」
正直ルナリスが作ってくれるという事実だけで嬉しいのだけれどここではなにをオーダーすべきだろうか。無難にオムライス?でもここでの卵の調達はかなり困難だーってレイとシュンが言っていた気がする。それにむーちゃんが人数分の卵を産む間に古い卵は腐る気がするし。なら海鮮はどうだろう。いやだめだ。周りは断崖絶壁どうやって海鮮を取るのだろうか。ならば野菜⋯いや、野菜は毎日⋯食べてるし⋯な、
「うーん。悩みますねぇ、」
「それならまた今度お姉さまと作るって決まった時に聞きますね。だから考えておいてくださいね!」
「えぇ、わかりました。ルナリスさん。」
そういうとルナリスは祈りの時間だからと小さな礼拝堂に戻って行った。ルナリスは本当の司祭のようなものだから。私は違うけど。
「⋯私にもあんな妹がいてくれたらよかったな。」
いたのは2人の兄だけだったから。クソ野郎な兄が2人、あとは兄の言いなりになっていた父と母。
「ほんっと、死んでくれてよかった。あーあ。」
クスリと暗闇の世界で1人小声で笑った。あんなにボロクソに言った兄たちは実はもうこの世にいない。母も父も同様にいない。理由は明確でありこの話はレイと出会った時にまで遡る。そうこれは3年前の話。私の真っ白なキャンバスを黒く塗りつぶした、その時の話。
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実は今日、共通テストを受けてきます。浪人生じゃないよ。現役だよ。ここまで読んだ貴方はヘビーユーザーです!おめでっとう!
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