帰宅2

「あーおなかいっぱーい!ご馳走様でしたー」

結局、卵は当たり前のように足りなかった。それもそうか、鶏1羽が1日に産む卵は約1個、1年で約300個だ。前回食べたのは確か10日前。ならば10個しかあるはずがない。

「小さかったけどオムレツ美味しかったー!」

「よかったぁ、またむーちゃんの卵たくさんになったらリアちゃんに作ってあげるね。シュンが。」

「約束だよぉ。今度はでかいオムレツにしてね?あ、もちろんそのでかいオムレツはお姉ちゃんの分だからね?」

「あ、あぁ…てかまた料理当番俺かよ…なぁ、レイもちょっとは手伝ってくれよ…」

「ん?私料理作れないの、知ってるでしょ?レシピしか考えられないから。」

「お姉ちゃん、シュンはおバカだから解らないんだよ。やっぱりお姉ちゃんの1番の理解者は私だねー!」

「は?俺だけど?何言ってんだよナタ。」

「アレンだけは絶対ないね!」

明日死ぬかもしれぬ命だというのにここにいる人たちは割と死を楽観している。死ぬ…というのが怖くないのだろうか。いや、怖いはずだ。仲間が死ぬのを観ているのだ。なのに、なぜ笑っていられるのか、時々分からなくなる時がある。

「あぁそうだ。おい、レイ。早くシャワー浴びてこいよ。レナートでてたからさ。あとそろそろ時間になるぞ。それとも…一緒に入って俺が洗ってやろうか?」

相変わらずこいつは…すぐそういうこと言っちゃって。

「…知ってる?そういうのセクハラって言うんだよ。隼。セクハラ、セクシャルハラスメント。2000年初期とか中期ぐらいの人が使ってたんだって。」

「へぇ、でも今は2286年だろ?もう古くね?それ。」

「むっ、でも昔は法律で訴えたらお金取れる案件だったんだよ。知らないけど、」

「法律…法律ねぇ、けどよ、そんなもん人間だけが関わり作った法律なんかもうこの世界にはねぇじゃん。」

そうだ。人の法律がなくなり荒廃した日本。2250年。機械が世界を支配し人間はただの家畜になりかけた。国家は機械の玩具に変わり私たちのような反テロ組織ができた。人間は争う。醜く。もちろん平和なところも存在する。例えばアメリカのワシントンDCは人と機械は平等で平和なところだ。だが揉め事が起これば機械は私たち人間と人間を戦わせる。人VS人。こんな戦いは不毛だ、といつも思ってしまう。機械の意味が無いからである。機械とはAIとは。

「機械は発展しすぎた。だからこうなった。特に日本は、ね。機械に全てを支配されるって嫌だよね。人のこと家畜とも思ってくれないだろうから。機械が……AIが最前の選択を選び続けた結果、引き起こすのは人間の絶滅か、それとも…」

「世界が破滅するのが先か…か?」

「That’s light.どっちなんだろうね。ということで私、先にシャワーいただくね。」

ひらひらと隼に手を振ってシャワー室に向かう。

「あ!ちょっと、アレンが変なこと言ってる間にお姉ちゃん行っちゃったじゃん!折角お姉ちゃんの裸体を盗撮しよ…」

「おいナタ?そんなもん撮ったら色んなヤツにボコボコにされるぞ?!」

やばいワードがナタから聞こえた気がしたのでそそくさと広間をでた。

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キャラクターが沢山登場します。書き方のせいでわかりにくいですがなんかすみません。時折紹介していきます。

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