外伝セレナとマリサ姉妹の異世界から地球に来た。異世界ディベートファンタジー
タカユキ
テーマ死刑制度
1人殺人をした人は死刑にしないと駄目です!
と私は言った。
ずいぶん物騒ね。とマリサ姉様が驚いて言った。
全然物騒じゃないです姉様。姉様が殺されてその人が、生きてるなんて許せないです!
と私は強く言った。
なるほど…そう言うことね。でも逆にこういうことも起こると想像出来ない?
私が殺人の濡れ衣を着せられて、1人の殺人で私が死刑になってしまうかも?
とマリサ姉様が言った。
そんなことあり得ません!
善良な姉様がそんな疑いかけられません!
と私は述べた。
何故あり得ないなんて言えるの?
きちんとした人でも、証拠が有れば捕まるわ。
でもっ…善良な姉様が冤罪で捕まる確率より殺害される確率のがずっと高いです!
冤罪で捕まって死刑になる人より、1人殺人した人が刑期を終えてその人がまた人を殺害する確率もめっちゃ高いです!
それに善良な姉様なら、すぐに死刑にはならないです!
その間に新たな証拠が出て来て濡れ衣は晴れます!
と私は熱弁した。
そうね。あなたの意見も一理あるわね。
でもね、まず気になるのが、善良な市民ってとこね。
善良な市民とそうでない市民の違いは何?
それって前科があるなし?
その前科も冤罪だったら?
それに前科があったら善良な市民じゃないの?
それとも年収が高い人が善良?
違うわよね?
善良な市民の定義は何かしら?
それに善良な市民じゃなければ冤罪にかけられても仕方ないの?
とマリサ姉様は立て続けに質問した。
善良な市民…その…やっぱり前科のある人で、特に凶悪犯って言われるぐらい酷い事、懲役で言ったら5年以上の人です!
それが善良じゃない人の定義です!
二回連続で冤罪になるなんて、天文学的なレベルにあり得ない確率です。
それなので善良じゃない市民は、冤罪になっても仕方ないですけど、冤罪になってもいいとは思いません!
被害者の苦悩を考えたら、1人殺人でも死刑にならないなんて、おかしいです。
私は反論した。
まず、それぞれに反論するわね。
懲役5年以上の人はもう善良になれないのかしら?
それは罪を償って被害者にも許されても、善良な人には2度となれないの?
冤罪に2度なる確率が天文学的レベルに低いかは、議論の分かれるところだけど、実際低いのは間違いないわ。
けど、それがどれくらい低いかのデーターはないわよね?
まずその2回冤罪になった人は、国家に殺されるのよ?
市民が殺すのとは、訳が違うの。
そんな悲劇が実際起きたら、仕方ないです。運が悪かった。こんな説明じゃあ亡くなった人、遺族は納得しないわ。
1人殺人例えば、介護で疲れ果てた人、親に虐待されて殺人を犯した人、正当防衛に近い人は?
それも死刑になるのかしら?
とマリサ姉様は真剣に言った。
そうです!
懲役5年以上の人は更正しても善良な市民じゃないです。姉様は甘すぎます。
そういった人は冤罪になって死刑になっても文句言えないです!
それだけ罪は重いのです。そうみんなが思えば、その人達も悪いことしなくなって来ます!
2回冤罪になった人には納得するのは難しいですけど、それを恐れ過ぎて、人を殺害した人がまた刑期を終えて、出て来て、またその人が殺人した場合、その殺された人も遺族も納得しないです。
死刑になってればそう言う事はないです。
そうすれば平和な国になります!
あとそう言った背景ある人は、別の法律でカバーして、執行猶予にすれば良いのです。
そういった背景ない人は死刑になってもらいます。
それは裁判官だったり検察官が判断してもらいます。と私は反論した。
色々反論する事は多いわね。
じゃあまず、第一に、懲役5年以上ってセレナは言うけど、じゃあ懲役4年なら善良のままなの?
懲役3年は?
その違いは、詳しく言える?
再犯その懸念はあるわね。でも全ての人が再犯してる訳じゃないわよね。
中々良い線いってると思うわ。
冤罪の死刑の被害者と再犯で殺害される被害者どちらを優先させるか?
って事よね?
全く別問題ともいえるし、関連する問題とも言える。そう簡単に結論は出せないわね。
そしてその判断は、難しいわね。裁判官検察官が必ずしも正確な判断が出来るか?
それに背景を区別すれば、必ず不公平感が出るわ。
あなたは背景ない、と言われても、それはまた別の問題が出て来て、司法が混乱するでしょうね。とお姉様は優しく言った。
懲役5年以上は、よっぽどじゃないとならないです!
懲役4年は微妙なところですけど、その人は更生したら善良…です。
もちろんこれは、声を大にして言います、再犯で殺害された被害者を優先させるべきです。
これは確率論で、間違いなく、こっちのが多いからです。
背景の判断が難しいのは、分かりますけど、背景がある人なんてごく一部です。その他大勢は背景ないです。なので判断間違いは、ほぼ起きません!
と自信を持って私は答えた。
自信を持つのは良い事よ。中々この討論終わらなそうね。そろそろ明日に持ち越ししよつかしら。
懲役4年は良いというセレナの主張だけど、それは何故?
はっきり言って弁護士の腕次第でそういうこと変わるのよ?
分かってないのが、まだまだ子供ね。
背景の判断がほぼ起きないというのも、明確な根拠が乏しいわね。
再犯で殺害される人が多いからという理由は、かなり危険な理由ね。
じゃあ、冤罪で死刑になる人がそちらより多いというデータ又は、そうなった場合、冤罪で死刑になる人を、あなたは意見を変えて優先させるの?
答えられるかしら?
とマリサ姉様は鋭く言った。
えっと‥懲役だけとりあえず答えますね、お姉様。
その優秀な弁護士の腕で懲役4年になった人はやっぱり、それまで善行してた人かもなので、優秀な弁護士雇えたコネや、コミュニケーション能力が高いので、更正出来る確率が懲役5年より上です。
懲役5年以上はやっぱり悪です。4年は正義でもないですけど、子悪党です。
あと懲役5年と4年一応基準はあります。日本の法律だと、5年はよっぽどです。
女性にその…言えない様な事した人は大体懲役5年です。
と窓を絞って反論した。
論理的に破綻してる気がするわね。感想レベルな気もするわ。もちろん素晴らしい意見だとは思うけれど。
懲役5年と4年の境目それだけで善良な市民の有無に関係しているなんて、あまりにも疑問が多過ぎるわ。
善良な市民は性犯罪してない、善良ではない市民は性犯罪してる。こっちのがまだ私は分かるわよ?
とマリサ姉様がちょっと笑って言った。
じゃあそれで良いです、姉様の言ったことが善良かそうでない基準にします。と私は姉様の意見に乗っかった。
あら?
そう来ましたか。でもね、性犯罪って言っても幅広いのよ?
全ての性犯罪者が善良じゃないの?
強盗した人は善良?
美人局で性犯罪者にされた人も善良じゃないのかしら?
とマリサ姉様は質問を重ねた。
酷いです!
なんかはめられた気分です。でも私は全ての性犯罪者が善良じゃないと思います!
とマリサ姉様の哲学者みたいな言い方に混乱して言った。
そろそろ終わりにする?
性犯罪者が善良じゃないという意見、これは、人によるから一概に言えないわね。
でも他の犯罪は善良というのも、納得出来ずらいわね。
例えば人が女性に性犯罪しようと思って女性を殴った、でもしなかった。これは性犯罪ではなく、暴行罪ね。でも犯人が正直にそういうことしようとしました。と自白したら性犯罪よね?
でも腹が立って女性を殴ったなら暴行罪よ?
性犯罪者ではないわね。
結局のところ善悪の判断は哲学的にもなるし、複雑すぎて、それを基準に冤罪になっても仕方ないって言うのは、行き過ぎかもね?
と姉様は眠そうに言った。
終わりにしない!
だってやっぱり…マリサ姉様が殺されて、その犯人が死刑じゃなくて、刑期を終えて出てくるの嫌だもん。
感情論でも良いよ、死刑じゃないなら、出て来て姉様の仇討つもん。と私は泣いて言った。
そうね、あなたの最初の意見を完全否定するのは少し寂しい気もするわ。
後の意見だけど、そうすると1人を殺したら死刑ってあなたの意見だと、セレナも死刑になるわね。それは嫌よ。
復讐の問題も複雑だから長くなりそう。
ただ良くやったと、世間は許すでしょうね。
亡くなった人が復讐について、意見を言えないのは悲しいことね。とマリサ姉様がぽつりと呟いた。
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