人生2周目だが退屈で死にそう
@tty27
第1話
1-3 右側やや後方の席。
もう少しでチャイムが鳴ろうとしてた。
国語の教師は熱心そうにこちらに背を向け黒板に字を書く。
既に学んだ漢字ではあるが、周りの中学生とはまた違った新鮮さを覚えながらノートに書きこむ。
ブランクは数十年ある。なんとなく楽しいなと思っていたのであった。
このクラスの雰囲気がある程度つかめてきた。
というより思い出してきた。
性格、関係性、出身校、趣味。
(あっ、あいつそういえば同じクラスだったか。)
思ったよりも中学生のときの記憶は無くなっていたものである。
海野サトル。
大人になってから同窓会らしき集まりは何回か開かれ中学校の時のメンツとも何度か会っていた。
だがいつも来ないメンバーというものはいるものである。そいつもその1人であった。
彼の背中を眺めながら薄まっていた記憶を手繰り寄せようと集中していると、授業の終わりを告げるチャイムがなった。
チャイムの鳴る前にはいつもズーっとかすかにスピーカーから漏れる音がなり、これからチャイムが鳴るぞとわかるのである。
休み時間が始まるとクラスメイトが各々動き始める。
次の授業の準備をするもの、そのまま近くの席で話し始めるもの、慌ててトイレに駆け込むもの。
しばらくしてもうしばらくしたら次の授業が始まる時間になった。
「しけたー!」
教室にいれば聞こえないものはいないだろうボリュームで声が響く。
発した本人はクラスのお調子者で、彼が口を開けば皆が笑顔になる、そんなタイプだ。
たまに行き過ぎたおふざけはあるものの。不穏な空気になることはなく、なんだかんだ彼と同じクラスでよかったと思ってたものである。
ザワザワとまたそれぞれが仲の良いもの同士で話し始めてる中、聞こえてしまった。
「あいつうざいよな」
それに気づいたか、たまたまなのか例のムードメーカーが振り返ったのである。
人生2周目だが退屈で死にそう @tty27
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