異世界転生なんて望んでいませんが?

銀蓮花

第1話

青い空。

白い雲。

湖面煌めく美しい湖。

うなる大自然、振り向けばそこは見渡す限りの大草原…。

え?どこここ?

北海道?

やだ、なにこれコワイ…


眩しさに目を開けた。

…ら、見知らぬ場所だった。

圧倒的な大自然の中、正直言ってパニックです。

ここはいったい何処ですか…

北海道に旅行に来た記憶はないのですが…

俺は必死に記憶を辿る。

えっと、名前…そうだ。

俺の名前は甲田 繕、45歳のナイスミドル。

バツイチ子無し恋人無し。

中堅企業の係長。

よしよし、記憶はあるぞ。いい感じだ。

確か昇進面談を受け、特に手応えもなく落ちたな、と下がったテンションのままいつも通り残業した帰り、うだつの上がらない自分の人生とはかくや…などと後ろ向きな気分を飲み込むように立ち飲み屋でビールを引っ掛け……

引っ掛け…た帰り道で誰かと争った?

そうだ!

女性が襲われてて、助けに入って抵抗した痴漢と争ってもつれた拍子に頭打った…うん。思い出した。


…え?ちょっと待って。

その後、なんかあったよね…

俺は更に必死に記憶を辿る。

……

……

……

……

……

あー、すーごい良い天気。

心なしか空気も美味しい気がするわ。

湖の向こう側は山脈が連なってるのかな…霞んで見えないけど……


はっ!

いかん、あまりにも優美過ぎる大自然に心が持ってかれる…

状況が掴めない…

ダメだ!頑張れ!

頑張れ!俺!

思い出すんだ!俺!


『ごっめーん!説明するの忘れてたー!とりあえず人気のないとこに転生させたけどぉ、草原を東に1時間くらい行けば村があるし、南に2時間くらいでそれなりの街に着くよ!魔物避けの効果を付与したからね、1日くらいなら持つからそれまでにどっちかに辿り着いてね!』


「え?」


『ん?』


「え、なに?」


『だから、説明するの忘れちゃったの。わしうっかり!てへっ☆』


えっ、誰!?

いや、何!?

頭ん中に声???

俺は辺りを見回したけど、声の主は見当たらず、立ち上がってさらに遠くまで見渡した。


『なんじゃ、記憶が繋がっとらんのか?転生時に失敗したかの?』


イラッ

また頭の中に声が…

しかもなんか不吉な事言ってませんか?


ってか声の主にすげぇイラッとするんだが…


「転生?……転生…てん……あっ!思い出した!あんたさっきの巫山戯たジジイかっ!」


『随分な物言い、わしショック!☆』


なんかもの凄い腹立つな。でもおかげで思い出したわ。

俺は頭打った時死んだらしい。

らしいってのは、正直死んだとかよく分からんし、気がついたら目の前の飄々としたジジイに浮かれた声で一気に何やら説明され、で、また気を失って今ここ大自然に囲まれてるからだね。


矢継ぎ早の説明は、ジジイ曰く自分は神様で、いい気分でお神酒飲んでたのに今日死を迎える人族の魂が摩耗してて自然に死を迎えられないので、神の御業で死を迎えさせてあげて欲しいと人手不足を理由に部下に仕事を頼まれたんだと。なのにちょっとお神酒を飲み過ぎてたようで、本来死ぬはずだった痴漢と間違えてしまい、うっかり俺を死なせてしまったという事だ。


(いや、うっかりが過ぎませんかねっ!?)


しかも生き返らせる事は出来ないので、代わりの人生として自分の管理するアスガルディアという異世界に、優遇措置を施した状態で転生させてやるというものだった。


いや、もう転生済みなんだよな…?

実感がわかないが…


『記憶は繋がったようじゃな?なら、もっかい説明するのも面倒じゃから、とりあえずステータス確認しておくれ!じゃあ、達者での!』


「えっ、ちょっと待っ…」

逃げたよね…

あれ、絶対逃げたよね…


はぁ…


しょうがない、自称神様とやらは自分のミス追求されたくない感が半端なかったし。

とりあえず言われた通りステータス確認しつつ、現状を把握しよう。

俺はモヤモヤする気分をのみこんで、壮大な草原に腰を下ろした。


えっと、異世界転生ものの定番では確か


「ステータス・オープン」


おお!

目の前にゲームでよく見るウィンドウ画面が表示されちゃったよ。

どれどれ


名前:ゼン・コウダ

年齢:16

LV:1

種族:人族

HP:34/34

MP:25/25

攻撃力:14

防御力:10

魔力:12

魔防:9

俊敏:10

幸運:37

スキル:剣豪LV1、賢者LV1、空間収納LV-

ギフト:全言語理解、???神の権能


うおっ、LV1でこのパラメータって凄くないっ!?

神様大盤振る舞い大丈夫??

…て、えっ?ちょ、、えっ?年齢、えっ16歳?

俺は思わず年齢部分を二度見した。

16歳……?

表示されている年齢が信じられず、俺は自分の身体を色々確かめてみる。肌に張りが有り、筋肉の落ちた残念な二の腕にはしなやかな筋肉が付いており、腹に至ってはビール腹は見る影もなく、なんなら腹筋まで確認出来た。

えーー、、45歳のナイスミドルから16歳のピッチピチなティーンエイジャーになっちゃったの?

中身バツイチのオッサンよ!?


もう一度ステータス画面の年齢部分を確認しても、やっぱり16歳と表示されている…

そ、そうか、若返ったんだね…

俺は気を取り直し再度ステータス画面を確認していく。


おぅふっ!スキルに剣豪や賢者ってっ!

なんなの!?俺って剣士なの?魔法使いなの?それとも所謂全能タイプなの!?

あ、何気に空間収納まであるし、これってチート?チートなの!?


ちょ、待って待って色々追いつかない!


俺は一旦ステータス画面から視線を逸らし、神様との会話を思い出してみる…


『わしミスっちゃったの、ごめんねぇ。でも生き返らせるの無理ゲーだし、わしが管理してる世界の一つにアスガルディアって世界があるんじゃが、ちょうど魂の空きがあるし、融通も利かせ易いからそこに転生ってことでどう?色々優遇しちゃうよ☆例えば若返っちゃうとか!良いよね!青春カムバックだもんね☆よし先ずは若返りと、あ、アスガルディアは魔物が普通にいるから、剣や魔法が使えるのって大事じゃよね。それに収納機能もあると便利よ、後は…ああ、このままじゃと言葉は通じないんじゃったわ。なら言語理解能力も必須かの。この辺は基本的なものじゃから…よし、わしの精一杯の誠意として「???神の権能」も追加しちゃおう!お主が希望する力が何か分からんからの、ほんとに欲しいと願った時に必要な力が手に入るじゃろ。

って事で、レッツエンジョイ!転生ライフ!☆』


……

そうだ。こっちの意見とか何にも聞かず、会話すらせず、ただただ一方的にまくし立てられたんだよ。

レッツエンジョイ!転生ライフ!☆って…なんの説明もなく送り込まれたけど、これって訴訟案件では?


なんなの?間違えて殺されて(殺されたようなもんよね)、こっちの意見聞かずに年齢やらスキルやら勝手に決められて、挙句の果てには見知らぬ場所に放置ですか。

東に1時間で村?南に2時間で街?

いや、その他の情報は!?

この世界の常識は!?

16歳のティーンエイジャー、ゼン・コウダはどうやって生きていけばいいのかとか!

せめて、ここが何処だとか、国とか場所とか色々あるよねー!?


っていうか、ギフトって何?

全言語理解ってアレですか、こっちの世界の言葉の読み書きが普通に出来るって事ですか、そうですか、それは素直にありがとう。

じゃあ、「???神の権能」は?

神様曰くほんとに必要な時に手に入る力ってなんかの能力って事?ほんとに必要な時っていつ!?

何をどうすればいいのよ!

ぜんっぜん分からんぞ!!


はぁ…

ほんとどうすりゃいいんだよ。

辺りを見回しても人っ子一人いやしねえ。誰かに聞く事も出来ないし……

考えてもしょうがない、とりあえず村だか街だかに行って、先ずは生活の基盤を整えよう…

幸いにもステータスは初期値にしてはそこそこ高いから、体力的にも問題無さそうだし頭だってスキルに賢者があるくらいだから悪い訳でもないよな、きっと。

これなら仕事を見つけるのも何とかなりそうか?致命的な問題として、こっちの世界の情報が無くて俺の45年の常識やら知識やらが通用するのか分からなさすぎるってのがあるけどな!

くそっ!神様のヤロー、もうちょっと説明していけよ!サバイバルかよ!


「俺ほんとにこっちで生きていけるのかよ……」


あ!

そういえば空間収納って何も入ってないのかな。こっちで生きていく為の必需品とか、説明書とか!説明書とか!!説明書とか!!!

神様大盤振る舞いしてくれてたりして?

いや無理か?クソ野郎だったしな。


それでも俺は少しの期待を持って空間収納を確認しようとした。


「どうすれば確認出来るんだ?」


頭の中で空間収納を意識してみる。


「おおっ」


意識するだけで空間収納の中身が確認出来た。

どうやら神様もバカではないらしく、パンや干し肉、水等の食料に、こちらの世界の通貨と思われる金貨や銀貨などが少し入っていた。

後はナイフが1本と小袋が数枚。

どうせなら着替えとか入れて置いて欲しかったよ。

気が利かねーったら。

今着てる服はこっちの世界の服っぽいけど、替えの服ってどうやって手に入れるのさ。着の身着のままとか嫌なんだけど…

まあ、無いものはしょうがない、とりあえず収納から物が出せるかが先だ。


俺は試しに水を取り出してみる。

意識するだけで手に水の入った水筒らしきものが現れた。


「へー便利だな」


水筒の口部分、木片をワインのコルクのようにした栓を抜いて水を飲む。

皮臭い…

まあ水筒は皮で出来てるみたいだからしょうがないけど、皮の匂いがキツくてちょっと嫌だな。

なんか……うん、どうにかならないか考えよう。

今後の課題だ。

俺は水筒を空間収納にしまい、これから向かう先をどうするか思案する。

村の方が受け入れて貰えそうだけど、情報量や仕事の種類などを考えると、人の多い街の方が良いか…

となると南に2時間くらいだったか。

南……南ね……


で、どっちが南よ。

太陽は?

煌めく湖面の上空にあるね。

えーっと、こっちの世界も太陽は東から登って西に沈むの?合ってる?俺の常識で考えても良い物?太陽の位置からすると湖の反対側が南だと思うが……

さすがに確信なんて持てないんだが…

標識がある訳でもないしな。


「地図が欲しい…」


というか、この世界の詳しい情報とか、せめてサポートシステムとかが欲しい…今、切実に…


「いやマジで切実に欲しいわ…」


あーステータス画面とかで分からんのかな、せめて方角だけでも…


ピコンッ


開きっぱなしだったステータス画面の右上にMAPの文字が浮かび点滅した。


「ん?MAPなんてあったっけ?」


そう呟きつつMAPを確認すると、今いる草原や湖、森などの情報の他に、東の村(ゼペル)と南の街(セリスタ)が表示されていた。


「おおっ、やった!この辺りの地図が分かるじゃん!現在地はここね、お、草原の先に一応道っぽいのもあるな、南の街はセリスタって言うのか。よし、じゃあ行ってみるか!」


俺はMAP情報のおかげで街になんとか辿り着けそうで、少し気分が高まった。


何気なくもう一度ステータス画面を確認すると、賢者が大賢者にグレードアップしていた…

何故…と思考した瞬間


〔スキル、鑑定を習得いたしました〕


と脳内に声が響き


「うわっ、なんだ!」


と辺りを見回す。


〔…ゆう…わ…〕


「え、なに?」


〔円滑、な…会話、もう少し…ギフ…ト…とスキル…の融和が……必要…です。〕


「ギフト?って、え、」


俺は慌ててステータス画面を確認した。


名前:ゼン・コウダ

年齢:16

LV:1

種族:人族

HP:34/34

MP:25/25

攻撃力:14

防御力:10

魔力:12

魔防:9

俊敏:10

幸運:37

スキル:剣豪LV1、大賢者LV1(new)、空間収納LV-、鑑定LV MAX(new)

ギフト:全言語理解、ナビゲート(new)


あ、スキルに鑑定が追加されてる!

ん?あれ?ギフトの「???神の権能」がナビゲートに変わってる!?

ご丁寧にスキルと同じようにnewとか表示されてるし!


そういや神様、

『わしの精一杯の誠意として「???神の権能」も追加しちゃおう!お主が希望する力が何か分からんからの、ほんとに欲しいと願った時に必要な力が手に入るじゃろ』


って、言ってたけど!!


え、もうひとつのギフト、《ナビゲート》になっちゃったの!?

俺の本当に欲しい力ってナビゲートなの!?

確かに言ったよ!?地図が欲しいって!この世界の情報が欲しいって!切実に欲しいって言ったけどさ!

ちょっと判定甘くないですかね!?

もっとこう、危機的な状況で、その危機的な状況を打開するために目覚めたりするものじゃないんですか神様!?

あんたいったい何してくれてんだよ!!!


しかもスキルに鑑定追加されてるし、賢者が大賢者になってるし、どういう事?


〔ギフト《ナビゲート》により形成された自我をスキル賢者と統合、新たにスキル大賢者にスキルアップさせ、大賢者に自我を持たせることでギフトの持ち主との対話を可能に致しました。

また、ギフト《ナビゲート》によりギフトの持ち主のスムーズな情報取得手段として、スキル鑑定を習得致しました〕


「は?賢者を大賢者にスキルアップ?鑑定スキルの習得って…」


〔切実な願いによるギフト《ナビゲート》の覚醒から派生した事象です〕


「えっと、頭ん中で聴こえる声は誰?」


〔《ナビゲート》が形成した自我であり、スキル大賢者です。〕


「あ、はい。…え?」


あーダメだ。

俺の頭が思考を拒否している。

一旦落ち着いてから考えよう。そうしよう。

先ずはセリスタに向かうか…


キャパオーバーになった俺は、MAPを頼りにセリスタに向けて移動を開始した。

いやだって、中年のオッサンには色々難しいんだよ。

とりあえず小一時間程今までの事を反芻して咀嚼、のち、考えをまとめ、一頻り受け入れたあと、俺は大賢者とやらと色々対話した。

要約すると

俺の切実な(納得出来んが)願いによってギフト《ナビゲート》が覚醒。

《ナビゲート》の能力が持ち主とのコミュニケーション手段として独立した自我を形成→賢者スキルに自我を統合して大賢者にスキルアップ→持ち主(俺)との対話を実現。

更に、ステータスやスキル等の情報を読み取れるように、アスガルディアで有用なスキルである鑑定を習得したとの事。

あーまあ、そう言われると《ナビゲート》ってなんか凄い能力よね。

勝手に自我形成しちゃうわ、スキル習得しちゃうわさ。

《ナビゲート》を鑑定してみたら、


ナビゲート:神より齎された権能。

アスガルディアのあらゆる情報を有する。ギフトの持ち主へ常に新しい情報を提供するため、自らの権能を変質させ情報収集及び情報還元を円滑に行えるよう自我を形成。現在はスキル大賢者と連動しギフトの持ち主をサポート中。


はっはっは。

サポートされてるよ。現在進行形でサポートされてるってよー。


歩き始めてそろそろ2時間、街道と呼ぶにはお粗末な土を踏み固めただけの道を南へと進みながら


「サポートしてくれてどうもありがとね!」


と、半ばヤケクソ気味に叫んだ。


〔主様は何かご不満でしょうか?〕


おぉぅ。

ギフトなのにこっちの微妙な機微まで感じちゃうの?意外にデリケートなの?


「あーいや、不満とか別に…」


そう、別に《ナビゲート》に不満がある訳でもない。

あるとすれば、たいした説明もせずいきなり転生させやがったあのくそジジイに対してだ。

死んだ実感もなく、転生を希望した訳でもないままに色んな事が起こりすぎて、もうお腹いっぱいなのである。


〔主様、前方にセリスタの街門が見えてまいりました〕


「…あー、その、主様ってのは、やめてくれない?ちょっと、なんか慣れないわ」


〔では、マスター。でいかがでしょうか〕


「…あ、うん、まあ、じゃあ、それで」


俺は歯切れ悪く返事する。

主様もマスターも変わらない気がするけど、なんか様付けよりかはね…うん。


セリスタの街門が近づくにつれ、俺は緊張し始めた。何となく足に力が入り歩みが遅くなる。

初のアスガルディア人との接触である、緊張するなと言われてもそれは無理な相談というものだ。

街門の脇に2人、兵士風の男性が槍を持って立っているのが見えた。

え、なんか怖いんですけど…

更に歩を進めると、門番と思われる男性と目が合った。

冷や汗が顔を伝ってくる…


「身分証の提示を」


目が合った方の門番の男性が槍を身体の脇にズラし空いている方の手を出してきた。


「み、身分証は持ってないのですが…」


俺は恐る恐る返事する。


「持ってないなら入街料は銅貨5枚だ。そこの扉から入って手続きを行え」


門番はそう言って門右側の扉を指さした。


扉は開きっぱなしになっており、中で街に入る為の入街料の支払いと、仮入街許可証が貰えるようになっている。

なんで知ってるかって?《ナビゲート》機能の一部である、大賢者様に聞いたからね。


俺は門番に言われた扉に入ると、街への入街料を支払い仮入街許可証を手に入れた。

仮入街許可証は10日間有効で、期間を過ぎたら再手続きと入街料5銅貨が必要になるが、その前に延伸申請すればもう10日間有効になるらしい。

10日間の間にどこかのギルドでギルドカードを作れば身分証になるので、仮入街許可証を返却。以後入街料は不要だそうだ。


さて、どうするか…

今後の方針を考えるために、先ずは身体を休めたい。

正直怒濤の1日だった。

1日…で良いんだよな…体感的にはそんな感じだし…

俺はMAPを確認し、宿屋を探してみる。

そこそこな街なだけあって、宿屋も数件あった。

大賢者様のオススメもあり、俺は比較的小綺麗な宿に3泊、銀貨2枚と銅貨4枚で泊まる事に。

1泊朝晩2食付きで銅貨8枚だ。

高いのか安いのか物価が分からんから、大賢者様の言う通りにしておけば、まあ、問題ないだろう。


「あ"あ"ーーー」

ドフンッ


俺は心の底から出た声と共にベッドにダイブした。

いやもうね、頭がショートしそうなの。

日本の中堅企業の係長だったバツイチのオッサンがよ、いきなり厨二病の世界に飛ばされてみなよ。

無理があろうて。

そら、無理があろうて。

しかもティーンエイジャーよ。

ジジイ、どうせなら心もティーンエイジャーにしておいてくれよ。。

しっかりオッサンのままって…

あー…オッサンは疲れました。


ベッドに横になっていると、思考がだんだん緩やかになり、俺は微睡みの中そのまま眠ってしまったのだった。

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