夕ご飯

羊丸

夕ご飯・1

「はぁ、今日も疲れた」


 私は温かいシャワーを浴びながら一言つぶやいた。


 1日の疲れを全て落とし、ふぅと口にすると風呂場を出た。服に着替え、洗面台に行き、ドライヤーで髪を乾かして肌を整え、服に着替えた。


 リビングに行くと、静かにテレビを見ている両親がいる。私はそんな両親を無視して食事を作ろうと冷蔵庫の中をみた。


 冷蔵庫の中にはじゃがいも、にんじん、ブロッコリーとお肉と飲み物などが入っていた。ふと横を見るとシチューのルウが入っている。


「あっ。これ作ろ!」


 私はシチューを作るためににんじんやブロッコリー、玉ねぎ、お肉とルウを取り出して、調理をし始めた。


 野菜から細かく切り、その次には肉を切った。


「結構柔らかいな」


 そう呟きながら早速切った野菜や肉を全て鍋に入れ、炒めて、水をいれ、アクが出てきたら取り除き、火を消してルウを混ぜた。


 そのあとは火を再び付けて牛乳を入れて再び煮込み込んだ。


「よし! 綺麗にできた!」


 私はそう言うと、人数分にお皿の中にシチューを入れてテーブルの上に置いた。


 自分のも置き、いただきますと手を合わせて口の中に入れた。温かいのとお肉とお野菜が口の中で徐々に粉々になっていきながら旨みが広がっていった。


「うん! うまくいったなぁ」


 私は食べながらシチューなんて何日ぶりに作ったんだろうなと考えていながら食べ続けているといつの間にかお皿は空っぽになっいていた。


(おかわりしよっ)


 そう思いながら立ち上がるとドアの方からただいまーと可愛らしい女の声が聞こえた。


「ちょっと、お母さん! 鍵をかけ忘れ」


 声の主らしき中学生の女の子は私を見て「えっ」と声を漏らした。


 私は微笑んで「おかえり!」と言った。


「習い事で疲れたでしょ。シチュー作ったから食べてね。まだまだいっぱいあるからさ」


 私は笑顔で言った。中学生の女の子は「えっと」と呟くとカバンの紐を掴んで私に向かって言った。


「あの……誰ですか? 貴方」


 その言葉に私は「んー」と言って両親を指差した。


「あれ見ればわかるよ」


 そう言うと、女の子は怯えながら両親にゆっくりと近づいていった。


 私はその背後で側に隠し持っていたナイフを握り、ゆっくりと近づいて行った。


 そして、両親の姿を見て叫ぼうとする瞬間にナイフを首に置いて裂いた。

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