第6話 a-2《それは、なんですか?(死者からの引用の連続・伝言ゲーム)》
a-2《それは、なんですか?(死者からの引用の連続・伝言ゲーム)》
〈なゆた〉というのは、数字の単位だそうです。
万、億、兆、京……と続き、
途方もない単位に、宇宙人であるあたしのパパは(何の話かって? 大丈夫、すぐに説明しますから)、彼の何億光年先の――この場合、何那由多光年でしょう――故郷を重ねたのでしょうか。
あたしは幼いころから、パパに宇宙人として育てられました。(「じゃあパパもうちゅうじんなのですか」と尋ねたところ、「まぁね」と得意気だったのをよく憶えています)
パパはいつも、あたしの頭を撫で「ここが世界の中心だよ」と繰りかえし言うのでした。
あたしは生まれた瞬間、パパに、頭のてっぺんにしるしとして、コンパスの針を刺されたのです。それはもちろん、浅く、血が出ない程度にですが。
そのときから、世界の中心はここになりました。押しつけがましいですが、パパなりの優しさなのでしょう。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます