第4話 アメリカ生活

僕は中学生のころ、父親タケくんの仕事の関係で4年間アメリカに住んでいた。


ジョージア州の田舎町でとてものどかな場所だったが、当時英語をろくに喋れなかった僕からすると割と恐怖だった。


現地の学校に通うことになり、登校初日、ケイちゃんに車で送ってもらい震えながら門をくぐった。


ブカブカの服を着てヘッドフォンを首にかけてガムを噛んでる黒人が大勢いる風景を見て、「ああ、俺は死ぬんだ」と謎の感想が頭をよぎった記憶がまだ残ってる。


結果的にはみんなと仲良くなり穏やかに過ごすことになるが、最初はマジでビクビクの毎日だった。


現地校なので日本人も数人しかおらず、めちゃくちゃ好奇の目で見られるし、そしてなにより私物をすごい盗まれる。

特に筆箱なんて3回くらい盗まれました。

アメリカの学校は移動教室スタイルなので、教科書と筆箱を持って移動するのだが、トイレに行く時荷物を置いて用を足して戻ると無い、、ということがしばしば。


最終的に筆箱を持つことを諦め鉛筆一本で授業を受けることになった僕、授業で斜め後ろに座ってるアメフト部のごっつい白人がどう考えても僕からパクったであろうドクターグリップを使ってました。


当然何も言えませんでした。

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