【台本集】

野山 翔

『大人の醍醐味』(”銀匙食堂”企画提出台本)

*この台本は音声配信アプリ「Spoon」内、タニーさん主催の”銀匙食堂”企画投稿用の台本です。

*フリー台本として公開OKとなりました。どなたでもご利用可能です!


*この台本は性別問わずで書いています。読まれる方の判断で以下の内容について変更いただいても問題ありません。

〇性格、性別による、語尾や単語の変更:「-でしょ!」→「-だろう!」など

〇本文中、ハンバーガーを作る工程があります。スタンダードな順で書いたつもりでいますが、皆さんのお好みの順序、分量で積み上げてください。

材料は「バンズ一個分」「スライストマトと、レタス(必ず入れていただければたっぷりなどしてもらうのは問題なし)」「ハンバーグ3枚」「スライスチーズ3枚」です。


*雰囲気づくりのSEやBGMはそれぞれの音源がフリーであることを各サイトなどでご確認の上でご使用ください。


(以下本文:文字を読むだけなら約5分)

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 -目の前に並ぶ野菜に目を輝かせる。

 

 トマト、レタス、玉ねぎ、ジャガイモ…。近所の格安貸し農園を借りること数年。何度かの失敗を繰り返して、遂に一人では食べきれないような沢山の野菜の収穫に成功した。さすがは自分!と自画自賛する。

 さぁ。これで何を作ろうか。考えたけど、この野菜で思いついたのは、アレだ、アレ。


 早速自転車に乗ってスーパーマーケットへ。店内には地元では有名なブランド牛を扱う精肉店が入っており、ひき肉を成型したものも扱っている。ボーナスの日にちょっと贅沢を楽しむだけのお店なのだけれど、今日はこの「あとは焼くだけハンバーグ」を贅沢に3枚購入。あとは冷蔵コーナーでペットボトルの飲み物と、家では作れないものをカゴに入れ、セルフレジでお会計。早く作りたくて、行きよりも速いペースでペダルをこいで家路を急ぐ。


 手洗いうがいを済ませたら、エプロンをつけて、いざ。

まずは野菜を洗って、レタスとトマトを適当な大きさにカット。玉ねぎは繊維に垂直に輪切り。ジャガイモは細切り。

 一人暮らしの部屋に大きなフライパンはないから玉子焼き用のフライパンで2回に分けてハンバーグを焼く。さすがブランド牛。ハンバーグすら匂いが尊い。

 ビニール袋を二つ用意してそれぞれに片栗粉と小麦粉を同僚、塩コショウを少し入れて混ぜる。そして、玉ねぎと、ジャガイモを分けて入れてシャカシャカと振り混ぜる。順調、順調!

 空いている方のコンロに天ぷら鍋を出してサラダ油をたっぷり入れる。火をつける前に粉をまぶしたジャガイモをIN!これがポイントなのだ。そうしたら中火にして油が温まってフライドポテトになるのを待つばかり。意外と時間がかかるけど、でもこれで外はカリカリになるのだからここは譲れない。

 油が温まってくるまでにバンズの袋を開ける。本当はこれも拘りたかったところだけど、さすがにパンを焼くには時間がかかるし、パン屋ではなかなかバンズは買えないから、スーパーのパンコーナー一択だ。販売メーカーも限られているのが本当に残念。しかも4個入とか完全に余る。これはまた別のときに、と冷凍庫に個包装して入れてしまおう。

 ポテトを待っている間に、もう一つの必需品、チーズをスタンバイ。普段のチーズトーストにするにはもったいない、これもちょっとお高めのチーズを3枚取り出す。パティが3枚だから3枚は当然でしょ。

 そわそわと待ち続けたポテトを、ペーパータオルを敷き詰めたザルにあげて、リングオニオンを油の中に投入。今度は温まった油だから、そう時間はかからないはず。


 そろそろ仕上げの準備。オニオンが揚がるまでにトースターでパンを温める程度に焼いて、取り出したら、お皿の上に下側のバンズを置いて、パティ、チーズ、パティ、チーズ、パティ、チーズ、トマト、レタス、上のバンズ、と積み木のように慎重に積み重ねていく。さほど厚みは出てないけど、崩れたらもったいないので短めの竹串を中央に刺す。上に飛び出してる部分には何かの機会に買ったままになっていたピック用のシールを貼って飾り付け。…少し子供っぽいかなぁ…。

別のお皿にキッチンペーパーを敷いて、最初のポテトを移したら、空いたザルへオニオンをあげる。油が切れたらポテトの横にこちらも移す。

 テーブルの上に、出来上がったハンバーガーと、フライドポテトとオニオンフライ。最後はグラスに氷を入れてペットボトルの炭酸飲料を注ぐ。ここでストローがないことに気づいてしまったが、そこは家での食事だから、ご愛敬。


 改めて見るテーブルには高級ハンバーグとチーズを3枚づつ積み重ねて、自家製野菜を挟んだスペシャルチーズバーガーに、一度は飽きるまで食べてみたかったオニオンポテトフライ。そして、子供の時から大好きな炭酸飲料。

 カロリーの暴力と言われても今日はこの子供のあこがれのようなメニューを心行くまで味わうのだ!

こんなことができるのは、大人の特権だからね!


お気に入りの音楽をアプリで再生させて、いざ-


「いただきます!」


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