気づいたら人型兵器が活躍する異世界に転生したので、そこで最強愛機とともに傭兵として無双したいと思います

結芽之綴喜

第1章〝鎧袖掠りて絆は結ばれん/母を撃て〟

EP.000 プロローグ


 目の前にガイストが迫る。


《──あ》


 衝撃。そして鉄がひしゃげる音。


 彼女が乗る人型機動兵器フレキシブル・オペレーション・フレームFOFは、ガイストの強力な突進により、一瞬で機体を守っていた防御機構が破綻。


 全長10mに達する鉄の巨人が、小石かなにかのように地面を跳ねた。


 衝撃はコックピット内にも伝わり彼女は全身を無茶苦茶に打ちのめされることに。


《きゃあああああああ⁉》


 すさまじい衝撃に、彼女は悲鳴を上げる。


 弾き飛ばされ、なぎ倒しになった機体。


 そこへ無数のガイストが襲い掛かる。


 まるで餌へ群がる蟻だ。


 周囲をガイストに取り囲まれたその光景は彼女を絶望させるにあまりあるものだった。


《……い、や……》


 迫る死を拒絶する言葉。


 だが、無慈悲な殺戮兵器は、そんな彼女の言葉など聞いてくれない。


 腕を振り上げたガイスト。


 そのまま彼女のいるコックピットをガイストは潰さんと腕を振り下ろす──




 ──




 閃光が降り注いだ。


 頭上から突如として振ってきた閃光が精確にガイストを貫き、その息の根を止める。


《え──》


 驚く彼女。


 突然の事態に戸惑いながらも、彼女は頭上へと視線を向けた。


 そして彼女は見る。上空、そこに鎮座する一機の機影を。


 漆黒の機体。


 左右に大きくせり出したアーマーはその漆黒の装甲とも相まってまるで黒い鳥のよう。


 その漆黒の機体から目が離せない。


 同時に機体の視線が彼女へ向いた。はっきりとその視界に彼女を捉える。


 そして──

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