秋の風鈴

風鈴といえば、夏の風物詩という共通認識が日本人にはあると思う。

夏場の風鈴の音色は、涼やかというか、聴いているだけで「あぁ夏だな」と思わせると私は勝手に考えている。


今日は雨も降っているし、外も急に寒くなって、やや体調を崩し気味だったのだが、突然チリンチリンっと聞こえてきた。

はじめは、聞き間違いかなにかの通知音かと思ったがどうも違う。明らかに、音は外から聞こえてきていた。

そしてその音は、誰がどう聞いても風鈴の音だった。


こんな時期に、しかも肌寒くなった日に限って風鈴が、夏場だって一度も登場しなかった風鈴がクソボロアパート(我が家)に登場したのだった。


ただでさえ、隣人のテレビの音やすぐそばの線路を走る電車の音でノイローゼ気味なのに、そして頭痛が酷いのに本当に勘弁してほしい。


夏の風物詩、癒しの音の象徴的な風鈴の音色も、時期と環境を間違えるとただの騒音になりかねない。というか、騒音になるということが分かった。


それにしても、風鈴をぶら下げた隣人は、一体なにを考えて風鈴なんてぶら下げたのだろうか。

こちらとしては、風鈴をぶら下げる前にテレビの音量を下げてほしいものである。

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