第7話
石井さんがそれを目撃して、慌ててぼくの右手を強く握って引っ張ってくれた。
だけども、それも虚しくぼくの身体全部がスクリーンの中へと吸い込まれてしまった……。
「わっ!」
スクリーンの中は、見たこともない電子空間になっていた。
「あれれ?? スマホがある?」
ぼくの消えたはずのスマホが、目の前で宙に浮いていた。
何故だろう?
ひょっとして、ここの本屋で無くしたんだろうか?
こんな心細い電子空間でたった一つで、浮いていたのだろう。
ぼくのスマホからは、この本屋の全ての電子書籍が買えることができるポイントが目の前で突然、跳ね上がりだした。
「うわーーー、信じられない!!」
60万ポイント……。
150万ポイント……。
500万ポイント……。
…………
9999万ポイント……?!
ぼくのスマホのポイントが、120000万ポイントまで数字が大きく跳ね上がる頃には、ぼくは豪奢な家付きで一生分の読書ができるんだなと思えてきた。
でも、ぼくにはこの本が読めれば十分だったんだ。
本は「春風と共に桜はすぐに散る」だけでいいんだよ。
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