log33...ブラフマー財団排除(記録者:YUKI)
ふっ、と心地よい笑みが浮かんだ。
いいねぇ。名演説ってのも、リアルロボットものではマストアイテムだよ。
とか言ってると、動画の向こうの
代表格っぽい一人が、無粋にもお嬢の眉間に拳銃を突きつけたよ。
《ふざけんな! 配信をやり直せ!》
対するお嬢は、微塵も動じず。
《それで私の脳天をばらまくか? それで、君達の何が変わる?
私を従わせたいなら
うんうん。
あっちは心配なさそうだね。
さて、改めてアタシの勝負SB“アウトレットモール”(ってか、いつもの
の武装をあらあらっとご紹介させてもらうよ。
・レーザーブルーム(機体の下部から108門のレーザーが機体直下に照射される“ホウキ”)
・高誘導ミサイル
・垂直ミサイル
・包囲型ミサイル
・クラスターミサイル
・高出力レーザーキャノン10門
・拡散バズーカ10門
・電磁パルスニードルランチャー10門
・レーザーブーメラン射出機
・ロングレンジレールガン
・レーザータレット
・
・ジャミンググレネード
ちなみに、武装はこれ全て、信頼と安心かつお値段以上を保証するブラフマー製品。
親バカは承知だけどね。アウトレット・モールって、いい命名だろ?
これに、アンドセーフティの使っていた二層式シールドを無理矢理ブッ込ませるのに時間がかかった。
いやはや、かつての若気の至りを直視するのって、かなりの苦行だよ?
自分の中学時代の黒歴史ノートとか読み返す勇気のある人間が、この世にどれだけ居るよ?
当然、兵器工場ってか、下手すりゃ工業団地レベルに匹敵する質量を浮かべて飛ばすなんて、まともなジェネレータとブースタじゃあムリだった。
当時のアタシも、半ばわかってて、高内に“傷痕”を残してやるモニュメントのつもりで作ったんだけどさ。
まさか、動く日が来るとは……。びっくりだよ。
ただね、この機体。
もう一つ、どうしようもない欠陥がある。
一度の出撃で、
アタシが
《見ての通り、小回りのきかない機体だ。その辺よろしく、お二方》
とりあえず、真下をレーザー
“アウトレット・モール”が頭上を通過したところから、“マヌ”が灼き抉れて灰塵に塗り替えられてゆく。
にしても、並の市街地ならとっくに地図が書き変わってもおかしくないレベルの被害なんだが、ブラフマーのお膝元はさすが桁外れの質量だねぇ。まあ、それなりに面影は留めてるよ。
着弾したジャミング弾がくす玉みたいに光華が飛び散り、ブラフマーの軍勢があたふたする。
機能停止するほどお粗末なつくりはしてないだろうが、照準機能がクソの役にも立たなくなった筈だ。
あっ、それはウチの若い衆も同じか。
悪い悪い!
ま、あっちはあっちで対消滅キャノンだとかレーザーサイズだとか、あんまり関係ない武器でお茶を濁してくれてるみたいだね。
水平垂直包囲クラスタ、緩急バラバラなミサイルを百発単位で散布。
さすが超反応NPCどもだ。一機として狼狽えるヤツはいない……が、逃げ場が無いんじゃあ同じだ。
数えるのもめんどくさい連発花火に踊るブラフマーの尖兵ども、目算、数えるのもめんどい規模。
さすがに大破まで行ったのはあんまりいないけど、正面のレーザーキャノンと拡散バズーカを計20門、ダメ押しにブッ込んどく。
今更だけど、一番小回りのきく武装がレーザーキャノンと拡散バズーカってのも、考え無しに設計しすぎたかもね。反省しよう。
おかげで、とうとう反物質ジェネレータがからっぽになったよ。
このアウトレット・モールですら、ものの数秒でエネルギー全快まで戻るから、些細な隙ではあるんだけど。
手持ち無沙汰だから着陸、アームドベースの両サイドに備え付けた丸ノコに似た巨大建造物をフルスロットルで回してマヌを抉り散らし、うっかり巻き込んだSBをスクラップにひしゃげ、千切り、砕き、爆走。
あと、(この機体にしては)省エネなレーザーブーメランで、縦に両断したり横に両断したりもした。
あれだよ。今、そこでアーテルがやった、レーザーサイズの刃を飛ばすのと原理は同じさ。
――てなコトをやってるウチに、ジェネレータの対消滅パワー(?)でエネルギー全快!
アウトレット・モールは、再び高らかに飛翔し、レーザーのホウキを投下。
アタシが動く距離に比例して、その直下が阿鼻叫喚地獄絵図。
で、ここまでのアタシの様子と、対消滅キャノン撃ち放題なアルバス、いくらなんでもミサイル盛り過ぎなアーテルの活躍によって、少なくとも目視圏内の敵影はまばらになってきたんだけどさ。
……あーあー、とうとうなりふり構わなくなってきたね。
遥か遠方からイナゴの大群よろしく空を埋め尽くしてやってきたのは、
「懐かしのシャールク・ジャバダじゃあないか。
あれ、何機いるんだろうね、
《……頭部COMにスキャンさせた所、推定100機は超えるらしい》
……シャレの通じない男だね。
まー、サメをモチーフにしたアイツがさ、それだけ大挙してやってきたわけよ。
てか、シャールク・ジャバダって奪還省の産物だったハズだが。
ゲームマスターが、ゲームの世界観をかなぐり捨ててきてるのは、手応えかもね。
まだ地上に残してる小うるさい雑魚メカども対策に、レーザー
絵に描いたように、レーザーが空に網目を描く。
この間もアタシが放つ拡散バズーカと各種ミサイルとの板挟みにあい、地上の雑魚どもは大方爆破されるか、狼狽えている。
アルバス、並びにアーテルに告ぐ。間違ってもアタシの攻撃に当たるんじゃないよ?
でもって、一番手近なシャールク・ジャバダどもにEMPニードルランチャーをブッ刺す。
パルスアーマーもクソもないね。あっけなく貫通して、ヤツらの眉間に突き立てられる、バリスタじみたアレ。
お注射みたいにEMP食らって、あえなく機能停止。落下する。
しかし、この数では一機即死させてもラチがあかない。
って思ってたら、アルバスの対消滅キャノンが一機に直撃。
そいつを起点として、アタシがこれまで見た中でもおそらく最高規模の光爆が放射して空を埋め尽くした。
少し前まで移動要塞みたいに思えたのが、嘘みたいだね。
とりあえず百はいたらしいサメ野郎の九割がたがソレに巻き込まれて、一機当たり、一握りくらいの鉄屑を残してこの世から消え去った。
ま、
対消滅の媒体となるモノが大きければ大きいほど、対消滅の二次爆発も相応の規模となる。
たーまやー。
さーて。
ほぼほぼ雑魚メカが壊滅したようだが。
これで終わりじゃ、ないだろ?
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