教会滅亡後世界

木島別弥(旧:へげぞぞ)

プロローグ

はじまり

 ここは教会滅亡後世界。

 かつて人が知るべきことを教えていた教会が滅亡した後の世界。


 誰が教会を滅亡させたのか、それすらわからない。

 かつて教会は高度な魔術体系を持って世界の構造を解き明かしたとされる。

 その知識が失われた世界。


 教会が退治していた怪物たちが際限なく暴れるようになり、人々の集落を襲うようになった時代。

 人々が怪物を退治するために剣や槍を使って狩りをする時代。


 魔術が失われつつある世界。

 それでも魔術に探求心を抱くものたちが秘かに魔術を研究していた。

 かつて、教会が教えていた知識と、教会が禁じていた知識を探求する現代の魔術師たち。


 世界の真相はいったいどこにあるのか。

 教会の滅亡した世界に救いはあるのか。


 かつて、人々は教会と契約をしたという。

 死後、己を正統に裁き、楽園に行く契約を。

 それらの契約は失われてしまった。

 もう教会はない。


 この時代に人々は何を求め、何をあらがうのか。

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