過去編

「本当にクズだね」

やっと付き合えたのに、ずっと好きだったのに優に裏切られた。

「俺は」

優は否定している。

【春を一人になんかさせないよ！俺がどうにかしてやるよ！！】

こんな優は見たくなかった。いつも自身満々で、誰かの為に頑張ってくれる。

【ごめん、次は直すな】

失敗したらすぐに認めて、次に活かす。そんな明るくすぐ前を向ける人間だった。

だから今の弱っている優は、私の知っている優じゃない。

つまり、私は優のことを知っていると思っていたが、何も知らなかった。

「春、信じてくれよ」

「・・・優、これ以上哀れな姿を見せないで」

ーーー

優にだって、弱い部分や、むしろ人に向き合えるからこそ、こんな状況になって崩れてしまった。

知らなかったんじゃない勝手に思い込んでいたのは私の方だった。

ーーー

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