おねがいします

肩幅鎌足

第1話

【おねがいします⠀】


俺はニートである


高校卒業後、建築関係の仕事に就いたが肉体的、精神的にきつくなり、入社1年も経たずに辞めてしまい5年ニートをやっている。


ニートは最高だ、今日もアニメを見て1日が始まり1日が終わる。


今日はデスロワイヤルというデスゲームがテーマのアニメを観ていた。


捻りのないアニメ名だけど以外と面白いな


アニメに夢中になっている所、俺の視界の隅に人影があった。


誰だ!っと大声を荒らげ人影の方を見ると、そこには全身タイツのような服装の男が立っており、その男はこう言った。


「私は神です、今日は気分がいいので誰か1人にどんな願いでも叶えてあげようと思い、たまたまあなたのようなどうしようも無い人間の所に着きました。」


ばかばしい、こんな全身タイツが神な訳ない。


「私が神とは信用ならならないといった表情をしてますね」


「当たり前だ、何か証明出来ないのか?」


「証明してみせます、何か一つ願いを言いなさい」


「ほんとに何でもいいのか?」


「いいですよ、願いを言う前に、先にお願いしますと言ってから願い事を言ってください」


「なんだそれ」


「そう言う決まり事なのです」


「わかった」


俺はどんな願い事を叶えてもらおうか考え出した。


大金持ちになりたい、特殊能力が欲しい、不老不死になりたい。


「ダメだ、願いが多すぎる、今すぐ願いを言わないといけないのか?」


「いいえ、1つしか叶えられないので充分に考えて下さい、お願いしますと言えばいつでも願いを叶えられるので」


「わかった、なるべく早く決める」


「わかりました、ではまた」


そう言って神は俺の目の前で姿を消して見せた。


とりあえず人間ではないな、神かどうかは分からんが


俺はとりあえずさっきのアニメの続きを見始めた。


「もう昼頃か、腹が減ったな」


俺はピザが食べたくなったのでデリバリーをする事にした。


「こちらデリバリーpizzaです!」


「ピザを注文したいんですけど」


「かしこまりました!メニューはどうなさいますか?」


「マルゲリータピザのMサイズをお願いします」


「かしこまりました!到着まで30分程かかりますので、ご了承ください」


「わかりましたー」


電話を切った。


30分か、とりあえずアニメの続きを。


俺はアニメを観る時間が1番好きだ、ふとした時に思い出す嫌な思い出や未来への不安、そんな事を考えずに没頭できる。


俺は何も考えずにボソッと呟いた。


「俺アニメの世界に入ってみたいかも」


ピンポーン


「デリバリーpizzaです!ピザのお届けに参りました〜」


「あれ、不在かな?ドアの前にピザ置いときますね〜」

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