魔法の言葉
藤泉都理
いつか使う
階段の下の収納庫にいついつまでも置いてある物が二つある。
一つは、新品の換気扇に交換した時に父が何かに使えると思って取っておいたらしい。
もう一つは、よく覚えている。
バナナと牛乳と氷で作るバナナジュースに家族全員が一時期はまっていたのだが、いちいち洗うのが面倒になって、最初はいつでも使えるようにと棚の上に置いていたのだが、いつしか、いつか使うだろうとここの収納庫へと移動させられたのだ。
いつか使う。
目にするたびに家族の誰もが魔法の言葉を口にして捨てずにいる。
換気扇のファンと、なぜか三台あるミキサーを。
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