灰色の靴の男
爆裂五郎
少女
少女は飢えていた。仕事を終えて帰るために道を行く人々に声をかけるも、相手にしてくれない。
そんな中、とある背広の男は少女に何かを差し出した。が、少女は危険を察知したのか受け取らない。
背広の男は舌打ちしながら去って行く。施そうとしたパンを踏みつけながら。
そのうち少女は立っているのもしんどくなり、人通りの少ない道の壁に背を向け座り込む。
別の背広の男は少女の前で何かを落とした。それは、おにぎりとそれなりの額が入った財布だった。
男は急いでいるのか、前を見据えて早歩きで少女の目の前を通り過ぎる。
少女は男が落とした物を拾った。誰かに見られてないか周囲を気にしながら。
途中から小走りになっていた男は途中で喫茶店に入った。
急いでるように見えたが、男は店内で特に何もせずくつろいでいた。
それから、少し遅れて少女が店に入ってきた。
男はギョッとした。どうしたのかと少女に尋ねると、「落とし物です」と一言だけ男に伝えた。
男は少し困惑していたが、少女に感謝を述べ、「お礼に一杯ご馳走する」と伝えた。
少女は満面の笑みでそれに応えた。
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