歪んでしまった世界の最終章
@rana_78
第1話 はじまりの時
「こんばんはー、リヒトです。」
「こんばんは!コウです!」
私たちは1年前の夏、共通の友人の集まりに呼ばれ居酒屋で初めて会った。元彼と別れてすぐだった私は、この集まりに行くのもめんどくさく、暇だからと言う理由で渋々友達について行った。
「リヒトくんも別れたばっかりなの!?私も!
振られちゃってさー、もう恋愛なんてしないよ。傷つくだけだし。」
「わかる。自由が1番だよね。俺、今は彼女いらない。」
「そうそう。恋愛なんて無駄!無駄!」
お酒が進むにつれ、話も弾み、楽しい時間が過ぎていった。
それから数日が過ぎ、私たちは連絡を取るようになった。毎日何気ない会話をし、お互い相手もいないからなんとなく連絡をしているだけだった。
そんなある日、一通の連絡が来た。
「うちに遊びにこないー?リョウマもいるよ!」
遊びの誘いだった。リョウマは私たちの共通の友人。その日は何もすることがなかった私は、友人のハルカを連れ、行くことにした。
「ねえ!うざあ!なんでリヒトばっかり勝つの!?私負けず嫌いだから勝つまでやる!」
「何回やるの(笑)」
私たちは、リヒトの家でゲームをして盛り上がった。ただただ、楽しかった。
それから休日のたびに4人で過ごす日々が始まった。
ピコン。
4人で過ごすようになって少し経った頃、リョウマから連絡が来た。
「コウって、リヒトのことどう思ってるの?
リヒトがコウのことかわいいって言ってたよ。」
私は返信に困った。その頃には恋愛を一旦引退したと思っていた私も、リヒトのことが気になり始めていたから。そして、初めて会った時リヒトは今は彼女いらないと言ってたことを思い出した。
「んー、いい人だなって思うよ。」
当たり障りのない返事をした。
4人でカラオケに行ったり、宅飲みをしたり、ドライブをしたり何気ない日常を過ごして1ヶ月が経った頃。
飾らない人柄、誰にでも分け隔てなく優しい、さらに面白いことを言って笑わせてくれるそんなリヒトのことが、私は好きになっていた。
そしてリヒトも私のことが好きだと言うことを、リョウマから聞いた私は、リヒトに告白をした。
そうして私たちは付き合い始めた。
2人で過ごす時間も、4人で過ごす時間も、今思えばかけがえのない日々だった。
歪んでしまった世界の最終章 @rana_78
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