第15.5話 拡張スキル【w〇r thander】

「ふはは、貴公、最古最強を倒したのだな!」

「…いや、誰」

Sランクダンジョン「無名の苗床」で自称【最古最強】を倒した新生ナギこと私。

その最古最強を担いで帰還途中になんか、謎の人物に絡まれた。

旧日本陸軍の軍服のようなものを着ている…あれかな…中〇商店で買ったのかな?

…いやほんと誰?なんでここに?

「ふ、我も貴公と同じ、【新世代】のスキルを持つものだ」

「!?」

…おう、マジか…。

…もしかしたら現代兵器系のスキルを持つ奴は、想像以上に多いのかもしれない…な。

「そう、わが国、日本国が誇る戦車…」

日本の戦車、10式か90式か、はたまた…

「ユニークスキル【72式重戦車】である!」

「いやなんだその戦車」

あの…ユニークスキルまで謎の戦車なのやめてもらっていいですか。

「ふ、知らぬか…1960年代、わが国は増大するソビエトの脅威に対して、既存の第二世代戦車から脱却した新世代の重装甲を持つ…」

思いっきり架空戦車じゃねぇか!ふざけんのも大概にせい!

「トマホーク」

なんか語ってる変な奴にトマホークを投げつける、旧軍かぶれの歴史修正主義者に慈悲はない。いやそれなのかもすら怪しいが…

「グギャバ!!」

トマホークは見事奴に直撃する。南無阿弥陀仏。

「ぐ、ふふ、いきなり攻撃とはやるではないか」

「!?」

が奴は膝をつきながらも…ほぼ無傷。

「…何をした」

「ふ、吸収したのだ」

「吸…収…?」

一体どうやって

「履帯でな!」

うん、その謎架空戦車でそんな気はしていたよ!

あれじゃねぇか!あの惑星出身のやつじゃねぇか!

…おのれ、W〇社…遂に現実まで侵食し始めたか!

AP弾まで履帯で消える謎の物理法則を現実に持ってくるなし。

「巡行ミサイルを履帯で吸収って…」

「しからば、次はこちらの番!【拡張スキル】貫通インジケーター!これで弱点まるわかりである!」

そんなのまであるのかよ…まあでも

「オールドアイアンサイズ」

私は【オールドアイアンサイズ】を発動させ守りを固める。

「…ふむ、あれ、おかしいな、貴公、全身真っ赤の貫通不可能表示なんだけど」

しかも、本家じゃなくてモバイル版の方かよ…

なんかもう面倒くさくなってきた。

「課金弾を使ってみれば」

「いや、我、通常弾オンリーなので」

「noobじゃねーか」

「ずるいぞ貴様、このOPが!デカいキューポラか車体下部を貫通させろ!」

「うるせぇ、黙れこの4割noobが!」

「⁉、なぜ我が4割だと」

「通常弾オンリーの奴が勝率5割以上あるわけねぇーだろ!食らえトマホーク」

こっちはまじで疲れているんだよ!こんなギャグみたいなやつの相手なんてしたくねぇ。

「くっ、砲身吸収で」

もういいって、しょうがない、じゃあ

「拡張スキル【w〇r thander】」

「む、なんだそれは」

こっちも別の惑星、自称戦闘シミュの某なんとかで対抗する。

「こっちではな、自称シミュなだけあって…炸薬量でちゃんと爆散する」

「なっ!グギャー!」

トマホークの二度目の直撃を受けた謎の男()は私の雑に作った拡張スキルの影響で今度はまともにダメージを受ける。

「ぐ、不覚で、である」

そのまま意識を失う…気絶したみたいだ、あれだな、死ななかったのは私の拡張スキルの影響だね。ひとのしなないげーむだし。

よし完全勝利だな。

え、マジで何だったのこの戦闘。

うん、もういいや、さっさと帰ろう…。

私は戦闘が始まってからそこらへんにほうっていた今だ気絶している最古最強の彼女を担ぎなおし帰路に着く。

勿論、謎の変なnoob男は放置です…


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