夢寒の花
離風
夢寒の花
虚弱な誰も知らない冬日かな
砲火染む東島の赤の海
見えない遥か故郷に留まるか
魂は帰る場所がない 流れ着く
心臓の奥の痛み終わりのない
傘下や記憶の中で彼の笑顔
唇にあなたの温度ただ感じ
霜風が街角の骨を啜る
窒息の防空壕で死体と夜
深い眠り古い神や傷だらけ
薄暗い雨と水埋め両眼
亡霊叫ぶ春の初めかな
夏日の終焉に向かって狂走
頭耳を貫通する銃声
勝利後の平和は訪れなかった
あの守護が悪魔の爪へと変わる
手と足や何とも哀れ互い殺す
涙や北国の雪に溶けられる
夢寒や再び君と巡り合う
残破の千年の国で花開く
夢寒の花 離風 @Lifoen
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