4.高校生

 .





「―――もうちょっとで着くよ」


 同級生の言葉に、ハッと私は我にかえりました。


「…ねぇ。本当にアイツ、……ここにいるの?」

「うん。もうちょっと行った先にね」


 そこは、人気のない物静かな所でした。


「着いた。ここだよ」

「え……?」


 私は、自分の目を疑いました。





 私の瞳に映ったのは、―――お墓だったのです。

 しかも、目の前にあるのはアナタの苗字が彫ってあるお墓……。


「まさか……!?」


 私はとっさにお墓の横に彫ってある名前を見ました。

 次の瞬間、私は息を飲み、言葉を失いました。


 そこには、確かに、アナタの、名前が、彫って、あった、のです。


「平成1△年……3月○日……16歳―――永眠……?」


 ……詳しく同級生に聞くと、アナタは高校進学が決まった少し後に交通事故にあい、即死だったそうです。


.

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る