あなたは私の双子。

第1話 黒コスモスが俯いた頃。

＿＿真尋が秋乃と付き合っている。

　そんな噂を聞いても、動揺しなくなった。昨日は目を下にやり、肩を縮めて、身を隠すようにしていた。でも、今日は逆に堂々としたいる。

　噂の当人。まーくんがそうしたほうがいいと教えてくれたのだ。

　まーくんはかっこいい。

　その点は双子の妹とよく意見があう。平凡とイケメンの狭間に立たされている、雰囲気イケメンだとクラスの子はまーくんを評したけれども、何故か私達の目には精悍に映る。なよなよしているところも可愛いし、人に対して親切で、まーくんを見ていると穏やかな気持ちになれる。できた人だ。彼の横に立つといつも感心する。彼も私のことを『尊敬する』と、よく目尻を下げて笑った。いい関係が築けている。

　でも、彼に関して、一つ問題がある。

　私はため息をつきながら、制服を着こなしている少女の様子を眺めた。