いつか君と夜の海を見てみたい。

猫野 尻尾

第1話:柊一郎の生い立ち。

父親:吉岡 誠一よしおか せいいち 47才。

息子「主人公」:吉岡 柊一郎よしおか しゅういちろう・20歳・社会人。


母親:吉岡 美穂子よしおか みほこ「旧姓・渡辺」4?歳。

娘「ヒロイン」:吉岡 詩織よしおか しおり「旧姓・渡辺」17歳・現役女子高生。


詩織の母親は吉岡 誠一と結婚して吉岡美穂子になった。

そして詩織は誠一と母親が結婚したことで吉岡詩織になった。


柊一郎と詩織は、血縁ではないが戸籍上兄妹になったわけだ。


柊一郎は幼いころ母親と死別していて、父親ひとりに育てられ、 子供のころから

近所のガキ大将で、勉強はイマイチだったが運動神経抜群、腕っ節だけは強かった。 だから喧嘩をしても一度も負けたことがなかった。


父親が仕事で家を留守にすることが多かったせいで、 いつも一人だった柊一郎は、

カギっ子にはならず、案外社交的だったせいで いつも、誰か友達の家にたむろしてることが多く 中学の時、愚れて不良グロープとつるむようになる。


その後、ギリで男子高に受かってから「堕天使・ルシファー」と言う

暴走族に入って最終的に総長にまでのしあがる。

いつも真っ黒な特攻服を着ていて、背中に「堕天使降臨」と言う金の刺繍を

施していた。


女は決して傷つけず、弱きを助け、強きを憎む、 正統派の族だったため、そんな

ところから いつしか、その界隈では「黒衣の天使」と呼ばれて名を轟かせた。


その後ルシファーのメンバー内のトラブルを止めに入って、腹を刺され入院、

命は取り留めたが、そのことをきかっけに族を離れることになる。

その後、トラブルになった時、世話になった矢形と言う警察官の紹介で、 老人

ひとりで細々とやってる小さな看板屋で働くようになった。

今のところは、真面目に働いていた。


それでもバイクが好きだった柊一郎は、ひとりで海を見に夜中によく走った。

今はお気に入りの一台を大事に乗っている。


看板屋も最近では看板自体の仕事が減って、アパレルに手を出していた。

だから柊一郎はウェアの在庫管理とかネットでの販売を任されていた。

PCなんて触ったこともなく、最初は戸惑うことばかりだったが 持ち前の辛抱強さで今は、なんとか・・・ではあるが、人に後ろ指を指されることもなく真面目に

働いている。


いつでもやめる覚悟はあったが義理人情に厚く、年寄りひとり残してバックレる

のは男として人としてダメだろうと内心思っていた。

彼女いない歴四年。

ちょとだけ道を踏み外しそうになったが、それも人生経験だろう。


世の中を順風満帆に生きてる人に比べたら、どんな障害も乗り越えていける度胸と

根性が備わっている柊一郎は、ある意味理想的と言えるかもしれない。


人は誰でも自分が正しいと思って生きている・・・それが間違ったことだったと

気づくのは後になってからだ。

でも人生を修正するのは、それからでも決して遅くはない・・・。


つづく。

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